「トランプ大統領がビットコインの備蓄を命じた理由とは」マネックスグループ会長・松本大氏が暗号資産の展望を語った(文春オンライン)

 トランプ政権の発足によって、暗号資産市場には強い追い風が吹いている。特にビットコイン(BTC)は、トランプ氏が大統領選に勝利した2024年11月に1BTCあたり8万ドルを突破し、今年1月には史上最高値となる10万9340ドルを記録。現在は若干下落して9万ドル台で推移しているものの、2024年年初の4万ドル台と比較すると、わずか1年で2倍以上に跳ね上がったことになる。 【写真】この記事の写真を見る(3枚)  この急激なビットコインの高騰をどう見るべきか。マネックスグループ会長の松本大氏が 「文藝春秋」6月号 で インタビュー に答えた。

 まず松本氏は、このビットコインのトレンドが長期的なものであることを指摘する。 「2015年1月の時点で約300ドル、2020年1月には約9400ドルだったのですから、5年で約11倍、10年で約360倍になった計算です」(松本氏、以下同)  時価総額を金とビットコインで比較すると、いかにビットコインへの資金流入が激しいかがわかるという。

「計算方法にもよりますが、私が会長を務めるマネックスグループが暗号資産取引所のコインチェックを買収した2018年頃、金の時価総額は約8兆ドルでした。それに対してビットコインの時価総額は約2000億ドルと2%ほど。それが2024年末時点では金の時価総額約18兆ドルに対して、ビットコインの時価総額は約2兆ドルと、およそ11パーセントになりました。7年間で5倍超になったわけです。つまり世界的にビットコインに資金が流入している」

 この資金流入というトレンドは今後も続くと松本氏は予測する。その根拠は、中国やロシアなどのドル体制からの離脱だという。 「中国は一時期、米国債の世界最大の保有国でした。ですが近年はドル体制からの離脱を目論み、保有額はどんどん減っています。その代わりに買っているのが、金とビットコインなのです。これはロシアも同様で、ドル体制から離脱しようとしている国々は金とビットコインをリザーブとして持ち始めている」  これはトランプ政権がビットコインの備蓄に動いた要因でもあるという。 「ビットコインがべらぼうに高騰していったとき、持っていない国と持っている国で国力に差がついてしまう。だからこそ、トランプ大統領もビットコインの備蓄を命じたのだと考えられます」  松本大氏のインタビュー「 私が見ているビットコインの未来 」は、5月10日発売の「文藝春秋」6月号にて7ページにわたり掲載される(「文藝春秋」のウェブメディア「 文藝春秋PLUS 」では、5月9日に公開)。

「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2025年6月号

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