FRBが国債購入で介入も、米10年債利回り5%突破なら-アムンディ
Julien Ponthus
- 量的緩和と利下げで景気下支えに動くと予想-モルティエ氏
- 米国債の買い手に構造的変化も、海外勢購入比率いずれ10%に低下か
欧州最大の資産運用会社、仏アムンディのビンセント・モルティエ最高投資責任者(CIO)は、米10年債利回りが5%を超えた場合、米連邦準備制度理事会(FRB)が市場に介入し、年内にも本格的な買い入れプログラムが実施される可能性があるとの見方を示した。
同氏は足元の米国債急落に驚いていると、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで発言。10年債利回りが5%、30年債に関しては利回りが5.25%を上抜ければ、FRBが介入に動くとの予想を示した。
トランプ政権による関税政策が成長を阻害し、借り入れコストを押し上げるとみられ、FRBは景気下支えに向けて大規模な量的緩和(QE)と利下げに踏み切るだろうと同氏はみている。
また足元の長期債急落は、米国が「重大な転換点」を迎えている兆候だと述べ、長期的には米国債市場で国内勢の買い手が増える構造的な変化を招くとの見方を示した。
「双子の赤字を抱え、経済が圧力にさらされている中で米国が資金調達を継続する唯一の方法は、日本のように自国の債務を国有化することだ」とモルティエ氏は指摘した。日本では、日本銀行を含む国内投資家が国債の90%以上を保有している。
一方で、米国債の約3分の1は外国人投資家が保有している。外国勢が購入を控える、あるいは中国が米国債を大量に売却した場合には、資金調達の危機に陥るとの懸念が高まっている。
同氏はFRBの債券購入によって、いずれ国外勢による米国債の保有比率は「時間とともに20%、15%、10%へと低下する」可能性があると話した。
原題:Amundi Sees Fed Launching Bond-Buying If 10-Year Yield Tops 5%(抜粋)
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