中国株は一段高へ、消費者マインド回復で-成績トップの運用者が予想

Sangmi Cha

  • フィデリティの中国消費株ファンド、同種ファンドの99%上回る成績
  • MSCI中国指数の一般消費財株サブ指数、ハイテク株に次ぐ上昇率

2025年に入りほぼ全ての同種ファンドを上回る運用成績を上げている中国株ファンドの運用担当者は、消費者信頼感の回復が中国株のさらなる追い風になるとみている。

  センチメントが回復すれば家計の潤沢な資金と政府の消費支援策が株式相場をさらに押し上げるだろうと、フィデリティ・インターナショナルのヒョミ・ジエ氏は予想する。

  同氏が運用する「フィデリティ・ファンズーチャイナ・コンシューマー・ファンド」の年初来リターンはプラス16%と、同種ファンドの99%を上回る。運用資産は34億ドル(約5100億円)で、主な保有銘柄はインターネット大手のテンセント・ホールディングス(騰訊)やスポーツウエアメーカーの安踏体育用品などだ。

  世界2位の経済大国である中国の消費低迷は、資金不足よりもむしろ心理的な要因によるものが大きいと同氏はみる。

  このため「消費者信頼感が改善すれば消費は拡大し、中国市場全体のセンチメントを下支えするだろう」とジエ氏は述べた。

  中国株は今年に入り、地域の大半の株価指標を上回るペースで上げている。人工知能(AI)スタートアップのDeepSeek(ディープシーク)がけん引するハイテク銘柄の急伸が背景だが、他にも上昇するセクターが増え始めている。

  MSCI中国指数の一般消費財株サブ指数は、今年に入り約27%上昇しており、セクター別でハイテク株に次ぐ高いパフォーマンスとなっている。

  中国政府は消費支援を強化しており、相次ぐ補助金や家計貯蓄の増加を受けて、財布のひもを緩める人が増えている様子だ。消費者の見通し改善は既にデータにも表れており、1-2月の小売売上高は市場予想を上回る伸びとなった。

  シンガポール在勤のジエ氏のファンドは、越境電子商取引(EC)サイト「Temu(テム)」を運営するネット通販企業PDDホールディングスやゲーム大手のネットイース(網易)も保有している。

原題:China Stock Fund Beating 99% of Peers Sees Consumer-Driven Rally(抜粋)

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