【地球内部のマントルで「生命の痕跡」を発見】生命活動は地球の深部に到達している可能性(スペースチャンネル)

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地球内部のイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)

地球の深部、マントルの中から「生命の痕跡」が見つかりました。しかもそれは、5億年以上前の生命の大進化「カンブリア爆発」に由来する可能性があるというのです。

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カンブリア爆発と生命の大転換

国際研究チームが発表した最新の研究によって、生命活動が地球の内部、マントルの化学組成にまで影響を及ぼしていたことが示唆されました。この発見は、地球という惑星がいかに「全体でつながったシステム」であるかを改めて示す結果となりました。

およそ5億4,000万年前のカンブリア紀の始まりに起きた「カンブリア爆発」は、生命進化の大きな転換点です。それまで地球上に存在していたのは単純な単細胞生物が主でしたが、この時期に複雑な構造を持つ多細胞動物(エビやクラゲ、硬い殻や歯を持つ生物など)が一気に出現しました。

これにより、地球表層の生態系は一変。死んだ生物の遺骸は海底に沈み、堆積物として蓄積していきました。

生命の痕跡が「地球の奥深く」に届くまで

プレートテクトニクスの沈み込みイメージ 出典:

研究チームは、世界各地の火山から採取されたダイヤモンドを含む深成岩「キンバーライト」約150点を分析。これらは地球深部(マントル)から地表に噴き上がってきたもので、「地球内部のメッセンジャー」と呼ばれる特別な岩石です。

分析の結果、2億5000万年前以降の若いキンバーライトには、異常な炭素同位体の割合が確認されました。この値は、有機物が起源の炭素である可能性を示しています。

しかし、どうやって有機物がマントルまで届いたのでしょうか?それは、プレートテクトニクスによる沈み込みです。海底の堆積物とその下の海洋プレートが地中深く沈み込むことで、生命由来の物質がマントルに運ばれるのです。そして、何億年もかけて地表に戻ってきたのが、今回分析されたキンバーライトです。

地球は“つながったシステム”だった

地球内部のイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)

一般に、マントルまで届く堆積物の量はごくわずかですが、それでも今回のような明確な化学的変化が確認されたのは、有機物がもたらす影響の大きさを裏付けています。

しかも、炭素だけでなく、ストロンチウムやハフニウムなど他の元素の同位体にも類似の変化が見られたことから、「ガス放出など他の要因では説明できない」と研究者たちは述べています。

これまで、地球内部の活動が地表に影響を与えることはよく知られていましたが、逆に地表の生命活動が地球の深部にまで影響を与えていたというのは、まさに地球が“統合されたシステム”であることを示しています。

この研究は、地球の内部と外部が双方向に影響し合っているという新しい視点を提供し、今後の地球科学に大きなインパクトを与える可能性があるのです。

今や私たちは、生命という存在が地球表面だけでなく、数百キロ下のマントルにまで痕跡を残していることを知りました。皆さんはマントルではどのような光景が広がっていると思いますか?是非コメントお待ちしています。

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