久保建英がCKで決勝点演出! 5発圧勝ソシエダ、史上初の“鬼門突破”でELベスト16進出
UEFAヨーロッパリーグ(EL)は20日、決勝トーナメントプレーオフ第2戦を行い、MF久保建英所属のソシエダ(スペイン)がミッティラン(デンマーク)を5-2で下した。2戦合計スコア7-3でベスト16進出が決定。ソシエダは2003-04シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)初出場以降、6回連続(欧州CL2回、EL4回)でグループ突破後のホーム&アウェー戦に敗れていたが、7度目でようやく“鬼門突破”を果たした。
敵地で行われた第1戦は気温氷点下の寒さと人工芝ピッチに苦しみながらも2-1で勝利し、1点リードを持ってホームに帰ってきたソシエダ。MFマルティン・スビメンディとDFジョン・アランブルの主軸2人を出場停止で欠く中、ラ・リーガ前節ベティス戦(●0-3)で出番のなかった久保は右ウイングで先発した。試合は前半5分、まさかの形で動いた。ソシエダが高い位置からプレッシングを仕掛け、相手のビルドアップに制限を加えると、ボールホルダーのミッティランDFマッツ・ベック・セーレンセンがスリップ。そのスキを逃さなかったMFブライス・メンデスがボールを拾い、そのまま無人のゴールに蹴り込んだ。
さらにソシエダは前半18分、GKアレックス・レミロのスローイングが中央のMFルカ・スチッチに通り、攻撃を前進させると、B・メンデスの縦パスをFWミケル・オヤルサバルがキープ。左に送ってFWアンデル・バレネチェアがエリア内を切れ込むと、最後は横パスをスチッチがダイレクトで蹴り込み、2-0とした。
ところがそこからミッティランの猛攻を受けた。まずは前半23分、エリア内でボールを保持したMFデニル・カスティージョをバレネチェアがファウルで倒し、このPKをFWアダム・ブクサに決められて2-1。さらに同38分、B・メンデスのボールロストからカウンターを受け、FWダリオ・オソリオに左足で突き刺され、同点とされた。それでも前半アディショナルタイム1分、久保が左CKをニアサイドに蹴り込むと、これが相手の中途半端なクリアを誘い、ボールはペナルティエリア外のスチッチの足元へ。スチッチは素早く右足を振り抜き、この日の2点目をゴール右隅に突き刺した。久保はアシストこそつかなかったが、それまではDFアリツ・エルストンドやバレネチェアへの完璧な配球がゴールに結びついておらず、ようやく結果に関わる形となった。
試合は2戦合計スコア5-3で後半へ。ソシエダは開始3分、2ゴールのスチッチが相手との接触プレーで右膝を痛め、MFパブロ・マリンとの交代を強いられるが、その後も主導権は失わず、時には久保が守備にも戻りながら時間を過ごす。そして同22分、久保はFWシェラルド・ベッカーとの交代でピッチを退いた。
すると交代直後の後半24分、右サイドで空中戦を競り合ったDFイゴール・スベルディアがMFダニ・シルバに腹部を蹴られる格好となり、ダニ・シルバにレッドカードが提示。ソシエダは数的優位に立つ。そして同27分には高い位置でインターセプトしたオヤルサバルがエリア内で倒され、PKを獲得。これをオヤルサバルが冷静に沈め、2戦合計6-3で勝負を決定づけた。
その後は数的優位のソシエダがボールを握りながら時間を進めると、後半アディショナルタイムにMFアルセン・ザハリャンの左足クロスからFWオーリ・オスカールソンがワンタッチで沈め、5-2。終わってみれば2戦合計7-3の大差でラウンド16進出を果たした。
ソシエダは欧州カップ戦にグループリーグが導入されて以降、欧州CL初出場となった03-04シーズンのラウンド16リヨン戦(合計0–2)、17-18シーズンのELラウンド32ザルツブルク戦(合計3-4)、20-21シーズンのELラウンド32マンチェスター・U戦(合計0-4)、21-22シーズンのEL決勝トーナメントプレーオフライプツィヒ戦(合計3-5)、22-23シーズンのELラウンド16ローマ戦(合計0-2)、23-24シーズンの欧州CLパリSG戦(合計1-4)とグループ突破後初戦のホーム&アウェーに6回連続敗退。7度目の挑戦で史上初めての鬼門突破となった。 ラウンド16の組み合わせ抽選会は21日に実施。ソシエダはマンチェスター・ユナイテッドかトッテナムと対戦することが決まっている。●ヨーロッパリーグ(EL)24-25特集