カルシウムだけじゃ骨は伸びない…「子どもの身長を伸ばす栄養素」が一気に摂れる"超万能食材" 「完全栄養食」である卵は1日2個食べたほうがいい
何を食べれば身長が伸びやすくなるのか。東京神田整形外科クリニック院長の田邊雄さんは「完全栄養食と呼ばれる卵は1日1個より1日2個食べたほうが身長が伸びるという研究結果がある。さらに、身長を伸ばすために欠かせない5つの栄養素がすべて含まれている手頃な食材がある」という――。
※本稿は、田邊雄『身長先生式 子どもの身長が伸びる食事のルール30』(Gakken)の一部を再編集したものです。
写真=iStock.com/shironagasukujira
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成長ホルモンと栄養、どちらも欠かせない
子どもの身長を伸ばすためにはカルシウムが大事だと思う方が多いのではないでしょうか? しかし、身長を伸ばすのに必要なのはカルシウムだけではありません。
成長期には脳の脳下垂体という部分からたくさんの成長ホルモンが分泌されます。これは「今、成長しなさい」という脳からの指令。成長ホルモンは、その指令に従い、食事で取り入れた栄養を使って骨を伸ばします。
骨を伸ばすためには、カルシウムだけではなく、たんぱく質、ビタミンD、亜鉛、鉄といった多くの栄養素が必要となります。
つまり、身長を伸ばすためには、次の2つが重要です。
・脳から成長ホルモンが十分に分泌されること ・骨の成長に必要な栄養を十分に摂ること
睡眠をはじめとする生活のリズムが乱れて成長ホルモンが十分に分泌されなかったり、必要な栄養が不足したりするだけで、骨の成長は停滞し、身長が伸びにくくなる可能性があるのです。
成長ホルモンと栄養。この2つが連携して子どもの体は成長していくということを、まずは覚えておいてください。
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「肉はどの種類のどの部位を食べればいいですか?」という質問をよく受けます。身長を伸ばすという点においては、鶏ササミ・鶏ムネ肉がおすすめです。
その理由は骨の材料となるたんぱく質を多く含むからです。
100gあたりのたんぱく質量が多いのは、鶏ササミ約25g、鶏ムネ肉(皮なし)約24g、豚ヒレ肉(赤身)が約23g。逆にたんぱく質が少ないのは、牛バラ肉が約11g、牛サーロインが約12g、牛肩ロースが約14g(すべて和牛)となります。
鶏ムネ肉・ササミと牛バラ肉のたんぱく質量には、倍以上も差があるので、牛バラ肉を優先的に食べ続けた場合、かなりの量のたんぱく質を取り損ねることになります。
ただし、牛肉には、鶏肉にあまり含まれていない鉄や亜鉛が多く、豚肉はエネルギー代謝を促すビタミンB1が鶏肉より多いというメリットがあります。それぞれの栄養価を知り、鶏ムネ肉やササミをメインにしつつ、たんぱく質量の多い牛や豚のヒレ肉やモモ肉を、ときどき加えるといいでしょう。
魚介にも肉にもそれぞれメリットがある
肉と魚介はどちらも優秀なたんぱく源。成長に欠かせない必須アミノ酸をバランスよく含む点でも同レベル、100gあたりのたんぱく質含有量もほぼ同レベルです。
だからといって、肉ばかり、魚ばかり、さらに同じ種類ばかりを食べるのは、おすすめできません。偏らずにいいとこ取りをしたほうが、成長のためにはいいからです。
たとえば、魚介には肉にはほとんど含まれないビタミンDを含むものがたくさんあります。骨ごと食べられるものならカルシウムもたっぷり摂れます。
マグロやカツオ、サバなどには鉄やビタミンB群も豊富。さらに、青魚や鮭、マグロやカツオなどの脂に多く含まれるオメガ3不飽和脂肪酸(以下・オメガ3)には、神経伝達をスムーズにして脳の認知機能を向上させたり、体内の炎症を抑え、アレルギー症状を軽減させる働きが認められています。成長期の子どもにとって有意義な働きがたくさんあることがわかります。