米国債利回り、6日ぶりに低下-上乗せ関税の一部除外で株上昇
- 10年債利回りは一時10bp低下、先週は週間で2001年以来の大幅上昇
- 中期債中心に相場回復、長期債相場の反発は他の年限に比べて弱い
米国債相場は14日に上昇。先週、週間ベースで2001年以来の大幅上昇を記録した10年債利回りが、6営業日ぶりに低下した。トランプ政権が一部製品を高率の関税適用対象から一時的に除外したことを受け、世界的に株式相場が上昇している。
米国債利回りは中期債を中心に、全ての年限で低下。10年債利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、4.39%を付けた。先週末11日には日中に4.59%まで上昇する場面があった。
ミシュラー・フィナンシャル・グループのマネジングディレクター、トム・ディガロマ氏は、相場は「確かに落ち着いている」とした上で、「ホワイトハウスから何か新しい情報を聞くまでは」そうした状況が続く可能性が高いと述べた。
トランプ大統領の頻繁な政策変更と相場の高いボラティリティーを背景に、利回りは高水準のままだ。グローバルな自由貿易体制から自国を撤退させようとする米政権の試みは、景気の減速や後退を引き起こしかねない。
こうした状況は通常なら債券にとって追い風となるが、現状は異なる。トランプ氏の政策が米国に新たなインフレショックを与え、それが米金融当局の行動を制限するリスクがある。米国債を購入することで米国の連邦財政赤字の穴埋めに貢献している海外投資家も不安になっている。
米国債に対するセンチメントが前向きになっている兆候はある。11日に発表されたデータによると、米国債先物のオープンインタレスト(未決済建玉)は急減。投資ファンドがレバレッジを効かせたポジションを縮小したことが示唆される。
ただ14日も、長期債相場の反発は他の年限と比べると勢いが弱い。
JPモルガン・チェースのアナリストは、最近の米国債相場のボラティリティーについて「健全ではない」と指摘。「米長期債を買うには、それにもっと見合ったものを投資家が求めていることは明らかだ」と述べた。
原題:Treasuries Snap Five-Day Selloff as Tariff Reprieve Lifts Stocks(抜粋)