【プロ野球】トレバー・バウアー日本球界復帰、DeNAの運用法は?
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28日のプロ野球開幕を前に各チームの先発投手の陣容が固まりつつある。今季、特に注目を集めそうなのがDeNA。トレバー・バウアーが2年ぶりに復帰し、先発ローテーションがどのように運用されていくかは気になるところだ。
日本では先発の中6日の登板間隔が定着し、ローテ投手は週に1度、決まった曜日に登板するので調整がしやすい。ただ、バウアーは最初に日本でプレーした2023年と同じく中5日程度で投げることになりそう。そうなると他の投手と登板予定日が重なり、どちらかが登板間隔を変えざるを得ないケースが出てくる。
米大リーグでサイ・ヤング賞を受賞したバウアーの力はいまだに健在だけに、首脳陣はバウアーが高いパフォーマンスを発揮できる環境を整えることを優先し、他の投手の登板間隔の方をずらすことになるのではないだろうか。
では、実際にどのようなローテ運用がなされることになるのか。DeNAは東克樹が開幕投手を務めることが決まっており、あくまで可能性の一つとしてバウアーが開幕3戦目の30日に初先発すると仮定し、登板パターンを考えてみたい。
同日にバウアーが投げた場合、中5日なら次の登板は4月5日。再び中5日だとその次は同月11日になるが、この日は金曜で、中6日の東の登板日と重なる。
エースの東とバウアーのどちらの登板を優先するかは悩みどころだが、翌週をみると18日の金曜は試合がなく、東の登板が前後にずれることになる。どのみち間隔を変える必要があるのなら、11日はバウアーが投げ、東は中7日で12日に登板。そこから東は再び中6日で毎週土曜に投げ続ける、という起用法が考えられる。
プロ野球は基本的に月曜が休養日だが、4月のDeNAは18日に加えて10日の木曜も試合がない。バウアーの最初の登板日を3月30日にすれば、4月はこれらの休養日をうまい具合に避け、中5日での登板を続けることができる。
実績を考えれば東はある程度決まった登板間隔で投げるはずで、バウアーの中5日を維持するなら、他の投手たちの登板間隔がしばしば変わることになる。本来の中6日が中7日になったり、あるいは登板自体を一度飛ばしたりということが考えられる。
登板を飛ばせば前の登板から間隔が10日以上空くので、その投手の状態によっては登録抹消し、2軍から別の投手を昇格させて起用する選択肢もある。また、各投手の調子や負荷に目を配り、シーズンを通して投手陣全体が可能な限り良好なコンディションを保つための最適な起用を考え、選手に伝えることも必要だ。そのようなことを考えると、首脳陣は2軍の先発投手をどう回すかを含め、あらゆる観点から1軍の先発ローテの運用を考える必要がある。
ただ、どれだけ綿密に起用スケジュールをつくっても、ひとたび雨天中止があれば大幅な修正を迫られる。特にセ・リーグはドーム球場を本拠地にするチームが巨人と中日の2つしかなく、屋根のない横浜スタジアムをホームにするDeNAは天候もローテ作成の重要な要素になる。三浦大輔監督や大原慎司チーフ投手コーチらは今からいくつもの起用パターンを考えていることだろう。
データ分析を手掛けるDELTA(東京・豊島)によると、24年のプロ野球で先発が中6日で登板したのは836度。当然ながら最も多く、2位の中7日(157度)の5倍以上だった。対照的に大リーグは中4〜5日が多いが、その背景には出場登録枠の問題がある。日本は現在、出場登録できる選手が31人で、そのうちベンチ入りが可能なのは26人。登板しない先発投手はベンチ入りメンバーから外れる場合でも出場登録を抹消する必要はない。
一方、大リーグはまず40人のロースターに登録し、さらに26人のアクティブロースターに入ることで試合に出られる。登板のない先発投手も26人の中に含まれるため、実際に試合に出られるのは22人前後。少ない人数で日本より多い年間162試合のシーズンを戦うため、先発投手の枠を多くは取れない事情がある。
バウアーはメジャー時代の習慣通りに短めの登板間隔で投げていくのだろうが、そこで重要になるのが、間隔をずらされる側の投手への十分な事前説明や配慮。そのあたりの首脳陣によるケアも、2年連続日本一を目指すチームの鍵になりそうだ。
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