トランプが無茶苦茶すぎて「引きこもりまで街に繰り出した」全米デモ

ニューヨーク・マンハッタンの五番街での抗議デモは20ブロック近く続いていた Photo by Robert Nickelsberg/Getty Images

Text by COURRiER Japon

4月5日、ドナルド・トランプ大統領や政府効率化省(DOGE)を率いるイーロン・マスクに抗議する大規模デモが全米各地でおこなわれた。 デモのスローガンは「Hands Off(手を出すな)」。参会者たちは、政府支出削減のために強引に進められる連邦政府職員の解雇や、社会保障関連予算の縮小などに抗議の声を上げた。 デモは首都ワシントンのほか、ニューヨークやシカゴなど全米50州の1200ヵ所以上で計画され、主催者によると約60万人が参加登録したという。1月にトランプ政権が発足して以降、最大規模の抗議運動となった。

米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、デモを主催したのは「インディビジブル」や「ムーブオン」などの草の根団体だ。これらの団体はトランプ政権1期目で、中絶の権利や人種問題をめぐり抗議活動をおこなったが、2期目では新たなメッセージを強調したいと語っている。 いわく、「トランプは医療、社会保障、教育を脅かし、一般の米国人の生活をより困難なものにしている一方、自分の周りにいる超富裕な友人たちを利している」というメッセージだ。

ワシントンのデモの様子を現地から報じた中東メディア「アルジャジーラ」の記者は、「これはトランプ2期目が始まって以降、私たちが目にした最大規模のデモであり、米国民の不満の高まりを示すものだ」と伝えた。

大勢が参加したとはいえ、トランプ政権1期目のときの抗議デモと違うのは、黒人やヒスパニック系の参加者が少ないことだ。多様性のためのDEI政策を撤廃したり、移民の取り締まりに躍起になっている政権に拘束されることを恐れて、マイノリティは抗議活動への参加を控えているとされる。

そんななか、シカゴの製薬業界で働く45歳男性は、デモに参加した理由をニューヨーク・タイムズにこう語った。

「私は白人の男だから捕まることはない。私の友人にはユダヤ人、トランスジェンダー、軍人、病気の人などもいて、みんな大変な思いをしている。私はここにいても大丈夫だから、恐れを抱いている人たちのために、ここにいるべきなんだ」 デモ参加者たちはさまざまなプラカードを掲げていたが、なかにはトランプとマスクを皮肉やユーモアで鋭くけなす秀逸な文言もあった。 たとえば「Grab him by the Teslacles」。あえて訳すなら、「奴(イーロン・マスク)の睾丸をわしづかみにしろ」だ。

「Teslacles」は、マスクの会社「Tesla(テスラ)」と、英語で精巣や睾丸を意味する「testicles」をかけた造語。さらにこの言い回しは、トランプの過去のわいせつ発言「俺は女のアソコをわしづかみにできる(Grab them by the pussy)」にもかかっている。

“Grab him by the TESLACLES” is pretty good. pic.twitter.com/3u8EmIEsUX

— Eric Feigl-Ding (@DrEricDing) April 5, 2025

もう一つ、Xで話題になったプラカードには、「So Fucked-up that even introverts are here」と書かれていた。日本語にすると、トランプのやることが「無茶苦茶すぎて、内向的な性格の僕たちまで出てきたよ」。

???????? #HandsOff2025 pic.twitter.com/PTsfBZyRc1

— Paige Ex GOP ???????????????? (@ItWasACoup) April 5, 2025

本来なら、人と交流したくないし、人混みは避けて家に閉じこもっていたい人たちを、「もう黙っちゃいられない」と思わせるぐらい、トランプの米国はヤバいようだ。

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