イラン系ハッカー集団、米医療機器企業に「破壊的な」サイバー攻撃(ロイター)
AJ Vicens Christy Santhosh [11日 ロイター] - イラン系ハッカー集団「ハンダラ」が11日、医療機器や医療サービスを手がける米ストライカー社に対して「破壊的な」サイバー攻撃を仕掛けたと通信アプリ「テレグラム」に投稿した。 ストライカーは米証券取引委員会(SEC)への提出書類で、サイバー攻撃によってシステムの一部に対するアクセスに混乱や制限が生じ、完全復旧の見通しは立っていないと公表した。米中西部ミシガン州に本社を置く同社は約5万6000人の従業員を抱え、61カ国で事業を展開している。 イラン関連のハッカー集団「ハンダラ」は投稿で、イラン南部ミナブの女子小学校への攻撃と「継続的なサイバー攻撃」への報復として、今回のサイバー攻撃を仕掛けたとの声明を出した。 ストライカーの従業員や契約社員はソーシャルメディア(SNS)への投稿で、同社のログインページにイラン系ハッカー集団のロゴが表示されたと報告した。ロイターはこれらの投稿内容が事実かどうかを確認できなかった。 同社の広報担当者は「ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)やマルウエア(悪意のあるソフトウエア)の兆候はなく、事態は収束したと確信している」とコメントしている。本社への電話の応答では「現在、建物内で緊急事態が発生している」との録音音声が流れた。 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は事情に詳しい情報筋の話として、ストライカーのネットワーク障害は米東部時間の11日深夜過ぎに発生したと報じた。 ストライカーの従業員が使う携帯電話やノートパソコンといった遠隔端末に接続された米マイクロソフトの運営システムの機能が消去されていた。 ホワイトハウスの当局者は「トランプ政権は常に潜在的なサイバーの脅威を積極的に監視し、世界トップクラスの極めて重要なインフラ、規制当局、法執行機関と連携して対応を進めている」とコメントした。 ストライカー株は11日、前日より3.6%下落した。 米国とイスラエルの両国がイランを攻撃したのを受け、高度なサイバー諜報能力を持つイランが両国の組織に報復攻撃を仕掛けるとの懸念が高まっていた。 元米連邦捜査局(FBI)サイバー部門高官で、サイバーセキュリティ企業ハルシオンのランサムウエア研究センターのシンシア・カイザー上級副社長は「まさに私たちが懸念していた攻撃形態だ」とし、「それはイランの代理組織が、米企業に対してデータ消去のような破壊的なサイバー攻撃で報復するものだ」と指摘した。 ハンダラはこれまでも、イスラエルなどの標的に対するサイバー攻撃を手がけてきたと主張していた。