ウクライナ、ロシア国内の足場喪失目前 クルスク州一部で後退か

ウクライナ軍が、ロシアのクルスク地方で苦戦の末に獲得した足場を喪失しつつあるとみられる。写真は12日、ドローンから撮影したロシア西部クルスク州スジャ。SNSの動画から(2025年 ロイター/Social Media via REUTERS)

[12日 ロイター] - ウクライナ軍が、ロシアのクルスク地方で苦戦の末に獲得した足場を喪失しつつあるとみられる。ロシア国防省は12日、同地方でさらに5つの集落を制圧したと発表。両陣営の軍事ブロガーもウクライナ軍が撤退していると伝えた。

昨年8月6日、ウクライナ軍はロシア国境を突破してロシア国内の土地を占拠し、攻勢を強めたかに見えた。しかし7カ月超が経過した今、ロシア軍の反撃を受け、占拠した地域が徐々に縮小。過去1週間でウクライナ軍の状況は急激に悪化したとされる。

ロイターは、ロシアのブロガーや国営メディアが公開した、同州スジャの中心部でロシア国旗を掲げる兵士らを映したビデオを確認した。スジャはウクライナ国境に近く、ウクライナ軍が補給路として利用している高速道路に沿っている。

ウクライナ軍最高司令官は今週、自軍が包囲されているという報道を否定したが、オープンソースのオンライン地図「ディープステート」によると、スジャがウクライナ軍の支配下から外れたことが示されている。ロシア軍がここ数日攻勢をかけた地域からウクライナ軍が撤退したとみられる。

ウクライナ軍クルスク戦線の報道官はコメントを控えた。

ウクライナの軍事ブロガー、スカドフスキー・ディフェンダー氏はテレグラムに「ウクライナ軍はクルスクから撤退している。週末にはウクライナ軍はクルスクにはいないだろう」と投稿した。

ロシアの独立系アナリスト、ルスラン・レヴィエフ氏も、ウクライナの侵攻は終結に近づいていると指摘。テレビで「ウクライナ軍は国境の集落をあと2─3日は維持しようとするかもしれない。しかし全体として、クルスク橋頭堡の物語は終わりを迎えつつあり、ウクライナ軍は撤退している」と語った。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

Chief writer on Russia and CIS. Worked as a journalist on 7 continents and reported from 40+ countries, with postings in London, Wellington, Brussels, Warsaw, Moscow and Berlin. Covered the break-up of the Soviet Union in the 1990s. Security correspondent from 2003 to 2008. Speaks French, Russian and (rusty) German and Polish.

関連記事: