米中ハイテク株逆転、ウォール街予想できず-中国7社に「伸びしろ」

中国のテクノロジー大手7社の株価が今年に入り4390億ドル(約65兆円)相当値上がりし、かつて無敵に見えた米ハイテク大手7社「マグニフィセント・セブン」を圧倒している。多くの投資家は中国勢にはさらに上昇する余地があるとみている。

  アリババグループやテンセント・ホールディングス(騰訊)など中国7社を加重平均で組み合わせたバスケットは、年初来で40%余り上昇。ソシエテ・ジェネラルはこの7社を「7タイタン(巨人)」と呼んでいる。

  一方、マグニフィセント7を束ねた株価指数は約10%下落。ナスダック100指数の調整局面入りが迫る状況となっている。

   こうした米中ハイテク銘柄の逆転劇は、ウォール街ではほとんど想定されていなかった。今年に入ってもナスダック100は最高値を更新し、中国の株式市場は依然として長年にわたる規制強化と消費持ち直しの鈍さに苦しんでいた。 

  しかし、中国の人工知能(AI)スタートアップ DeepSeek(ディープシーク)が、AIセクターにおける中国の躍進を示すと状況が大きく変わり始めた。

  ディープシークはAIで中国が米国に追い付くには何年もかかるだろうというこれまでの認識を覆し、中国のハイテク株が急伸。長年の中国懐疑派でさえ楽観的になりつつある。

  ソシエテ・ジェネラルはアリババとテンセントに加え、小米と比亜迪(BYD)、中芯国際集成電路製造(SMIC)、JDドットコム、ネットイース(網易)の7社を時価総額と成長軌道に基づいて7タイタンとして選定。

  フランク・ベンジムラ氏率いるストラテジストチームが発表した2月28日のリポートによれば、7タイタンのバスケットは現在、予想株価収益率(PER)が18倍で推移。これはマグニフィセント7より40%余り割安な水準だ。

  サクソ・マーケッツのチーフ投資ストラテジスト、チャル・チャナナ氏は「ディープシークの成功に続き、中国から一連のAIモデルが発表され、米国による半導体の対中輸出制限にもかかわらず、中国のイノベーション能力を過小評価すべきではないと世界に再認識させた」と指摘し、「中国AI銘柄の勢いは、評価額の低さを考慮すると、まだ伸びしろがある」との見方を示した。

  7日の香港株式市場では、中国のハイテク銘柄から成るハンセンテック指数が一時2%を超える上げとなった。その後は下げに転じている。

原題:China’s Top Tech Stocks Add $439 Billion as ‘Mag Seven’ Sink (抜粋)

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