堅守・東福岡を攻略!FW佐藤2発とMF白井スーパー弾の前橋育英が7大会ぶりの決勝進出!

[1.11 選手権準決勝 東福岡高 1-3 前橋育英高 国立]

 前橋育英が名門校対決を逆転で制し、決勝進出! 11日、第103回全国高校サッカー選手権準決勝が東京・国立競技場で行われ、ともに優勝歴を持つ東福岡高(福岡)と前橋育英高(群馬)が激突。前橋育英が3-1で勝ち、2017年度大会以来の決勝へ進出した。

 東福岡は福岡県予選から全7試合無失点。準々決勝では静岡学園高(静岡)にPK戦で勝利した。2015年度大会以来となる決勝進出を懸けた一戦の先発は、GKが後藤洸太(3年)で右SB福川聖人(3年)、CB大坪聖央(3年)、CB山禄涼平(3年)、左SB柴田陽仁主将(3年)、アンカーが佐藤宏耀(3年)、2シャドーが塩崎響(3年)、福澤隆大(3年)、右SH児玉愁都(3年)、左SH神渡寿一(3年)、1トップに伊波樹生(3年)が入った。

 一方の前橋育英は準々決勝でエースFWオノノジュ慶吏(3年)が得点ランキング2位タイの4得点目となる決勝点。前回大会3位の堀越高(東京A)を1-0で下して4強入りを果たした。2017年度大会以来の決勝進出を懸けた準決勝の先発は、GK藤原優希(3年)、右SB瀧口眞大(2年)、CB久保遥夢(2年)、CB鈴木陽(3年)、左SB牧野奨(2年)、中盤は石井陽主将(3年)と竹ノ谷優駕(2年)のダブルボランチで右SH黒沢佑晟(3年)、左SH平林尊琉(2年)、そしてオノノジュと佐藤耕太(3年)が2トップを組んだ。

 前半9分、東福岡は佐藤の左FKからファーサイドの大坪がヘディングシュート。11分には、塩崎が福川とのワンツーで右サイドを抜け出す。そしてフリーで入れたグラウンダークロスをニアの伊波が右足で流し込み、先制した。  前橋育英は幾度か縦パスを差し込み、オノノジュ、佐藤へボールが入るシーンがあったほか、スペースで前を向くシーンも。だが、東福岡はアプローチ、帰陣が非常に速く、わずかに判断が遅れると、すぐに2人がかりで潰されてしまう。東福岡は山禄、大坪の強力CBコンビがカバーリングを含めて相手の攻撃を阻止。また、左SB柴田が対人守備の強さを見せるなどチャンスを作らせない。  東福岡は児玉がドリブルで観衆を沸かせるシーンがあったほか、FKなどから追加点を狙う。一方、ボールを左右に動かして攻める前橋育英は、24分に黒沢の右クロスに平林が反応するが、東福岡CB大坪がクリア。また、オノノジュが強引に仕掛け、サイドへ抜け出そうとするなどゴールを目指すが、崩し切れずに前半を終えた。

 前橋育英は後半開始から平林と牧野に代え、右SH白井誠也(2年)と体調不良から復調した攻撃的ボランチMF柴野快仁(2年)を投入。黒沢を左SH、竹ノ谷を左SBへ移した。すると3分、前橋育英が同点に追いつく。前から相手CBにプレッシャーをかけた佐藤がボールを足に当てると、左ゴールライン際でCBの前に潜り込む。最後はゴールエリアから左足で押し込み、1-1とした。

 東福岡は予選を通じて選手権初失点。前橋育英は畳み掛ける。9分、左サイドでオノノジュがキープ。右後方でサポートした佐藤がボールを受けると、鮮やかな右足コントロールシュートをファー上へ決めて逆転した。  さらに、13分、前橋育英は注目ドリブラーの白井が会場を沸かせる。中央から鋭いドリブル。DFに掴まれなからも前進して右サイドへ展開すると、オノノジュの折り返しを白井が右足で決めて3-1とした。

 東福岡は22分、児玉と福澤をMF稗田幹男(3年)とMF西田煌(2年)へ交代。柴田の左クロスや稗田のロングスロー、左足シュートなどで反撃する。前橋育英は柴野、白井がドリブルでボールを運ぶなど攻撃を活性化。そして佐藤が追加点のチャンスを迎える。

 東福岡も伊波が抜け出してシュートを撃ち込むも、前橋育英GK藤原がストップ。東福岡は直後に神渡と伊佐をFW齊藤琉稀空(2年)とFW山口倫生(2年)へ交代し、柴田、大坪、山禄の3バックへ移行した。

 前橋育英も同じタイミングにオノノジュとFW大岡航未(2年)を交代。40分には佐藤とFW中村太一(3年)、43分には黒沢とMF平良晟也(2年)を入れ替えた。東福岡は塩崎とMF宇都宮夢功(3年)を交代して反撃するも、石井や鈴木、久保、瀧口、竹ノ谷の4バックを中心に守る前橋育英ゴールをこじ開けることができず試合終了。前橋育英が2017年度大会以来、2度目の日本一に王手をかけた。

(取材・文 吉田太郎) ●第103回全国高校サッカー選手権特集▶部活生の足元を支える新素材!カンガルーレザーからSILKYWRAPへ

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