G7外相会合、ロシア制裁避けたい米 同盟国は妥協不可避と懸念

 3月11日、主要7カ国(G7)の外相は今週12日から14日にかけてカナダ・ケベック州のリゾート地、ラマルベで会合を開く。写真はルビオ米国務長官。移動中の飛行機の中での代表撮影(2025 ロイター)

[モントリオール/ジェッダ 10日 ロイター] - 主要7カ国(G7)の外相は今週12日から14日にかけてカナダ・ケベック州のリゾート地、ラマルベで会合を開く。今年1月のトランプ米大統領就任以来、初めてのG7外相会合となる。

ルビオ米国務長官は10日、ロシアとウクライナを和平交渉のテーブルに着かせようとする努力に水を差すような表現に米国は反対すると述べた。

2014年3月のロシアによるクリミア併合を受けてロシアのG8参加を停止して以来、G7は各国の合意に基づき、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの揺るぎない支持を強調してきた。

だが、トランプ政権が発足すると、米国はウクライナを批判する一方でロシア寄りの姿勢を示し、西側の結束を根底から覆した。

G7加盟国の外交官4人によると、カナダは当初、7カ国がウクライナ戦争から中東、中国に至る全体的な声明と、ロシアのいわゆるシャドーフリート(影の艦隊)を対策に関する声明の2つで合意することを期待していた。

シャドーフリートとは、ウクライナ侵攻でロシアに科された国際制裁に違反して、ロシアが石油、武器、穀物を移動させるために使用する船舶のこと。これらの船舶は規制されておらず、保険もかけられていない。

11月に発表された前回のG7声明では、8ページ中ほぼ2ページがウクライナに関するもので、大半がロシアを非難する内容だった。

しかし、外交官らによれば、今回の声明全文での合意は非常に難しく、妥協点を見出せないのではないかと危惧する声もあるという。

2人の外交官によれば、米国は制裁とウクライナ戦争に言及する文言を声明から削除しようとする一方、中国に対してはより厳しい表現を要求しているという。

ルビオ氏は10日、記者団に対し「敵対的な言葉は、時として当事者をテーブルに着かせるのを難しくするように感じる」とし、それを妨げるような声明に米国は署名しないと発言。ただ最終的には、G7が双方の交渉を妨げることなく、有意義で統一感のある声明にたどり着くと確信していると述べた。

3人の外交官によれば、米国はロシアのシャドーフリートに関するもう一方の声明にも反対している。

妥協点を見出すための話し合いはまだ続いているという。

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Daphne Psaledakis is a foreign policy correspondent based in Washington, D.C., where she covers U.S. sanctions, Africa and the State Department. She has covered the rollout of U.S. sanctions on Russia after Moscow’s invasion of Ukraine, Washington’s efforts to enforce its sanctions and the U.S. response to the conflict in Ethiopia, among other issues. She previously covered European Union politics and energy and climate policy for Reuters in Brussels as part of an Overseas Press Club Foundation fellowship in 2019. Daphne holds a Bachelor of Journalism in Print and Digital News and a Bachelor of Arts in International Studies.

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