米国債市場、投資家がポジション大幅縮小-変動高まり中立姿勢強める
Edward Bolingbroke
- 米国債下落に見舞われたトレーダー、トランプ氏の次の一手見極め
- 運用担当者の中立姿勢、23年以来最大の増加-JPモルガン調査
米国債相場の大幅下落に見舞われたトレーダーは過去1週間、先物のポジションを大幅に縮小し中立姿勢を強めた。トランプ米大統領による関税政策の次の一手を見極めようとしたためだ。
関税を巡る対立激化で市場が混乱し現金確保の動きが広がる中、米国債利回りは先週急上昇。債券市場のボラティリティー(変動性)が高まり、トレーダーの間で持ち高を減らす動きが目立った。米国債先物市場では、過去7営業日連続で10年物のポジションが減少した。10年債現物で約220億ドル(約3兆1400億円)相当の額に上る。
同様の傾向はポートフォリオマネジャーにも見られ、JPモルガン・チェースの顧客調査によると、中立姿勢が2023年以来最大の増加となった。
市場の注目は、トランプ氏と米国の貿易相手国・地域の動きに集中。緊張緩和でリスク資産に資金が回帰するのか、緊張が再度高まり米金融当局が経済を支えるため近く利下げに動くとの見方が強まるのか、その行方が見守られている。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のメガン・スワイバー、ケイティ・クレイグ両氏は、先週の米金利市場の資金フローは、投資家が期間の長い金利のリスクを逃れ、短期の銘柄を選好していることを示すと指摘。こうした投資スタンスの変化が、イールドカーブのスティープ化を促している。
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原題:Treasuries Turmoil Gives Way to Calm as Traders Shift to Neutral(抜粋)
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