80年間行方知らずのナチス没収の肖像画、まさかの不動産サイトで発見
イタリアの画家フラ・ガルガーリオ(ジュゼッペ・ジスランディ)が描いた女性の肖像画「Portrait of a Lady」。第二次世界大戦中、ユダヤ人のアートディーラーであるジャック・ガウドスティッカー氏からナチスが没収したものとして知られています。
その後、80年近くその行方がわかっていなかった貴重な絵画が、今になって突然その姿を現しました。
それも不動産サイトに。
肖像画のある家は誰の家か?
肖像画が飾られていたのは、不動産サイトで売家として掲載されていたアルゼンチンにあるとある家の壁。
この肖像画は、ナチスが没収した1,000点を超えるアートコレクションの1つ。最後にその存在が確認されたのは1940年でした。
オランダの新聞社Algemeen Dagbladが絵画の所有者を追跡取材したところによれば、絵画は、ナチスドイツ空軍の総司令官ヘルマン・ゲーリングに強制売却されていました。
その後、ナチス親衛隊のFriedrich Kadgien氏の手に渡り、彼がスイスに亡命。Kadgien氏はブラジルからアルゼンチンへと移住していったとのこと。Kadgien氏は、1978年に他界していました。
不動産サイトに売家として掲載されていた肖像画が飾ってある家、この家こそがKadgien氏の家だったのです。Kadgien氏の娘が家を売却したい意向で、アルゼンチンの不動産会社に依頼していた様子。
絵画はどこに?
肖像画が写り込んだ不動産サイトの画像は、Kadgien氏の家族が意図しなかった方向で注目を集めてしまいました。結果、不動産サイトから売家として出ていた家は削除されてしまいました。
残された家族は、Kadgien氏がドイツから持ち出したアート品の追跡調査をするAlgemeen Dagblad社の調査を受け入れなかったとのこと。また、連絡をうけ家に地元警察が向かったときには、すでに絵画はそこになく、代わりに馬と風景画のタペストリーが飾ってあったといいます。
家を売りにだしたKadgien氏の娘はSNSアカウントまで削除(またはアカウント名変更)したそうですが…。
ナチスが没収した品は盗品とみなされ、Kadgien氏家族はそれを隠蔽した罪に問われる可能性も。
まさか不動産サイトで80年も行方知らずの絵画が発見されるとは。ネット時代、どこにどんな発見があるかわかりませんね。