「好きで独りでいる」 それでも精神的健康度は低下する?

「健康で長生き」の人は、人や社会とのつながりを維持している――。誰しもそうだろうと思っていたことが、近年の科学的研究からも裏付けられるようになってきた。「自分は社会とつながっている」と思っている人も、リタイア後に自分が第三者との関わりを維持できるかどうかを想像しておきたい。ただ、「人付き合いは苦手。独りがいい」という人もいるだろう。東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加とヘルシーエイジング研究チーム専門副部長の桜井良太氏に、孤立と精神的健康、脳の海馬への影響など最新研究の内容を詳しく聞き、これからの人生の過ごし方のヒントをつかもう。

>前編 1人だと運動効果が減る?「社会参加」の健康への影響は想像以上だった

 健康のためにウォーキングや筋トレに励んでいる、という人にとって、見落としがちなのが「社会的にアクティブであるかどうか」ではないだろうか。

(写真はイメージ:PIXTA)

 身体機能や歩行機能、認知機能と社会的活動の関わりについて幅広い視点から研究を行っている東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加とヘルシーエイジング研究チーム専門副部長の桜井良太氏は、「社会的つながりがあると、自然と健康に気を配る意識が高まり、健康行動が習慣づきやすい。また、病気や死別・離別といったストレスフルな出来事も、人とのつながりや支援があれば乗り越えていくことができます。社会的つながりがあることは、要介護・死亡リスクの低下などと関わることが分かってきました」と話す(前編)。

 WHOの「社会的つながり委員会」は、2025年6月に「世界人口の6人に1人が孤独に悩み、それが健康とウェルビーイングなどに重大な影響を及ぼしている」とし、「社会との強いつながりは肉体的、精神的ウェルビーイングにつながる」というレポートを発表した(*1)。

 「このような社会的つながりが希薄になった状態、すなわち社会的孤立は健康に様々な悪影響を与えます。例えば、婚姻状況、他者との接触頻度、社会活動頻度から社会的孤立を定義した米国の大規模疫学研究では、社会的孤立状態にある人は、社会的孤立状態にない人に比べて男性では1.62倍、女性では1.75倍死亡リスクが高かったと報告しています(*2)」(桜井氏)。

 そうはいっても、「社会とつながる方法が分からない」、「この年齢になってあらためて友人を作るのは難しい」、「そもそも好きで独りでいる」という人もいる。「これまでの研究で、社会的孤立状態が精神的健康度に悪影響を及ぼすことが分かっています。しかし、このような孤立の悪影響についてお話しをすると、必ずといっていいほど『私は好きで独りでいるのだから大丈夫』とおっしゃる人がいます」(桜井氏)

 そこで桜井氏は、「独りでいることを好む、独り好き志向の高い人と精神的健康度」をテーマに研究を行ったという。

 その結果、独り好き志向性(*)が高い人であっても、社会的孤立状態にある人は精神的健康度が低い状態にあることが分かった。

* この研究での「独り好き志向性」は、0~12点で評価され、高齢者では10点以上を「高レベルの独り好き志向」と定義。高齢者においても独り好きの人が比較的多いことが分かった。

図1 独り好き志向は精神的健康度悪化のリスクに

9000人(20~39歳の若年者、40~59歳の中年者、60~79歳の高齢者各3000人)を対象にインターネット調査を行い、Preference for Solitude Scaleという質問表で「独り好き志向性」を評価。社会的孤立(同居家族以外との対面および非対面のコミュニケーション頻度が両者を合わせても週1回未満)、精神的健康状態(ウェルビーイング、悩み・抑うつ傾向、主観的孤独感)の関連を調査した。加えて、「他者との付き合いの煩わしさ」程度を調査し、独り好き志向性と精神的健康状態の間の関係を検討した。その結果、独り好き志向性が高い人もしくは社会的孤立者ほど、精神的健康度(WHO-5:ウェルビーイング度)が低く、社会的孤立の悪影響への独り好き志向性の緩和効果は認められなかった。(データ:J Affect Disord. 2024 Nov 15:365:466-473.)

*1 WHO「From loneliness to social connection - charting a path to healthier societies: Report of the WHO Commission on Social Connection」,2025

*2 Pantell M, et al. Social isolation: a predictor of mortality comparable to traditional clinical risk factors. Am J Public Health. 2013; 103: 2056-2062.

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最近よく耳にする「認知バイアス」は、人が情報を受け取って判断する過程で生じる系統的なもので、合理的な結論からずれる心の働きを指します。見方や感じ方の偏りや思い込みとも言い換えられます。脳の効率化がもたらす不思議な世界──認知バイアスと脳や心の関係について、専門家に聞きました。

同じ事象の捉え方の違いはなぜ起こる?

 コップに半分入った水を「まだ半分もある」と思うか、「もう半分しかない」と考えるか。P.F.ドラッカーが提唱した経営理論の一つである「コップの水理論」として知られる問いだ。

 なぜ、水が半分入った同じコップを見て、異なる認識が生じるのか。不思議に思ったことはないだろうか。

「まだ半分ある」「もう半分しかない」──同じモノを見てもそれぞれ捉え方が異なる。(イラスト:ヤギワタル)

 「私たちが見ている世界は、脳が感覚情報に記憶や期待、感情を重ねて構築したもの。私たちはそれを現実として経験しているのです」と話すのは、量子医科学研究所 脳とこころの研究グループ グループリーダーの山田真希子氏。言い換えれば、私たちは脳が組み立てた世界を「現実」と感じて生きているのだ。

 そのため、同じ現象やモノを見ても、各人が持つ脳の特性によって違う世界が映し出され、見方や感じ方に偏りが生じてくる。これが「認知バイアス」で、誰にでも起こるものだという。

 「認知バイアスは、情報の受け取りや判断が、一定方向に系統的に偏る心の傾向です。日常の意思決定の多くに影響しますが、素早い判断の近道として働くこともあります」(山田氏)。その一つが「プラセボ効果」。実際には効果のない偽薬(プラセボ)を服用しても、効果があるという思い込みで症状が改善するというものだ。この思い込みも認知バイアスだ。

 認知バイアスを体系的に分類した「Cognitive Bias Codex(認知バイアス・コデックス)」によると、認知バイアスは188種あるという説がある。ちなみに、コップの水の場合、「まだ半分も」と喜ぶ人は「楽観主義バイアス」の強い人、「もう半分しか」と嘆く人は「悲観主義バイアス」の強い人といえる。

 次のページで、私たちの身の周りで起こりがちな認知バイアスの例を紹介しよう。心当たりのある人も少なくないのでは?

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日本古来の古武術には、日常生活においても体に負担をかけず、楽に動くためのヒントがたくさん隠されている。筋トレなどで体を鍛えなくても、今日から身軽に動ける上に、腰や膝を傷めにくくなる。そんな「古武術」式の日常生活動作をここでマスターしよう。講師は、理学療法士・介護福祉士として古武術を応用した合理的な体の使い方を研究する岡田慎一郎さんだ。

岡田慎一郎(おかだ しんいちろう)氏 理学療法士、介護福祉士、介護支援専門員

1972年生まれ。身体障害者、高齢者施設に勤務し、独自の身体介助法を模索する中、武術研究家の甲野善紀氏と出会い、古武術の身体運用を参考にした『古武術介護入門』(医学書院)を刊行し、大きな反響を呼んだ。近年は介護、医療、リハビリ、消防救命、育児、健康増進、教育など、幅広い分野で身体を通した発想と実践を展開させ、講演、執筆、企業アドバイザーなど多岐にわたる活動を国内外で行う。『古武術式 疲れない体の使い方』(三笠書房)、『身体を痛めない介護術』(中央法規)など著書多数。

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サウナが大好きな救急医・三谷雄己さんの連載。サウナの効能や誰もが安全にサウナを楽しむための知識を医学的に解説します。ときどきサウナ愛を語ります。

三谷雄己(みたに ゆうき) 広島大学病院救急集中治療医学所属

サウナや温泉を愛好する傍ら、「Preventable Sauna Death(防ぎ得たサウナ関連死)」をゼロにすべく、サウナと体の仕組みを医学の視点から深掘りする発信を続けている。救急科・集中治療科専門医。サウナ・スパ健康アドバイザー。「ととのえ隊」という日本サウナ学会公認キャラクターを監修している。 X → @totonouqq インスタグラム → @totonouqq

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10年ぶりに改訂された「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2025年版」が公開された。このガイドラインで最も注目すべきポイントは、過去10年間で出そろった新薬のエビデンスを評価し、骨密度、基礎疾患、過去の骨折の有無など患者の状態に合わせた薬剤選択の方法を明確化するなど、骨密度を長期間維持できる治療方針を示したことである。新ガイドラインが推奨する「逐次療法」と、患者自身が取り組む栄養療法、運動療法を組み合わせることで、人生100年時代を最後まで元気に生きるPPK(ピンピンコロリ)を目指せる。

>前編 骨粗しょう症ガイドライン改訂 骨密度測定すべきタイミングは?

(元画像:Ada/stock.adobe.com)

骨は常に「壊され」「作られ」ている

 骨は、人の体のなかで最も硬く頑丈な組織だと考えられているが、その中身は常に生まれ変わっている。これを「骨のリモデリング」という。骨粗しょう症の治療を理解する上で、この骨のリモデリングに関する基礎知識は非常に重要である。

 骨のリモデリングにおいて主要な役割を果たしているのは「破骨細胞」と「骨芽細胞」である。破骨細胞は、作られて時間のたった骨を溶かして壊し(骨吸収)、骨芽細胞が血液中のカルシウムやリンを材料に新しく作り変えている(骨形成)。このリモデリングの仕組みは、骨を常に健康に保つとともに、生物が生きていくのに欠かせない血液中のカルシウムイオン濃度を正常に保つ働きも持っている。

骨のリモデリングモデル

(イラスト:堀江篤史)

治療薬の選択肢が増え、患者に応じた治療が可能に

 こうした骨のリモデリングの研究から生まれたのが、骨粗しょう症の治療薬だ。山陰労災病院院長の萩野浩氏は「1980年代以降には、骨吸収・形成に関わっているホルモンやサイトカインと呼ばれる生理活性物質の働きが次々と解明されました。その働きを調整する化学物質の研究が進むことで、骨吸収を抑制したり、骨形成を促進することで骨密度を高める治療薬が次々と登場しました」と解説する。

 主要な治療薬は、その作用によって次のように分類できる。これらの治療薬のうちどれを使うかは、骨折リスクの高さ、性別、年齢、閉経後かどうかなどによって決まる。

  • <骨の破壊(吸収)を抑える薬>
    • ビスホスホネート系 (2016年に承認されたゾレドロン酸を含む)
    • デノスマブ
    • カルシトニン
    • 選択的エストロゲン受容体調節薬
  • <骨の形成を促進する薬>
    • テリパラチド
    • アバロパラチド(2022年承認)
    • ロモソズマブ(2019年承認) (ロモソズマブには骨の吸収抑制作用もある)
  • <骨代謝をサポートする薬>

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骨粗しょう症(骨粗鬆症)は、年齢とともに「骨がスカスカになり(骨密度の低下)」「折れやすくなる」病気だ。いま骨粗しょう症対策が大きく変わろうとしている。今年10年ぶりに改訂された「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2025年版」の作成委員を務めた山陰労災病院院長の萩野浩氏は、治療効果の高い新薬が追加されたことや骨密度測定に関する情報提供などを改訂のポイントに挙げる。今回、前編では骨密度検査の受け方と、骨密度を低下させないための生活改善について、後編では骨密度を再生する最新治療を紹介する。

「もっと早く骨密度を測っていれば…」と後悔しないために

 「STOP AT ONE」という標語をご存じだろうか。

 これは国際骨粗鬆症財団が世界骨粗鬆症デーのキャンペーンで使用している言葉で「最初の骨折を見逃さず、そこで止めよう」「早期診断・早期治療で、次の骨折を防ごう」と骨折の連鎖を防ぐことの重要性を訴えている。

 山陰労災病院院長の萩野浩氏は「全ての骨折の背景に骨粗しょう症があるわけではありませんが、50代、60代で骨折を起こした患者を検査してみると、骨密度がかなり低下していることが少なくありません」と指摘する。その「最初の骨折」の後、骨粗しょう症の治療を行わず放置していると、再び骨折を起こしやすくなる。この骨折の連鎖は、骨折した大腿骨とは反対側の大腿骨やほかの部位を骨折する「二次骨折」、一度骨折したのと同じ部位を骨折する「再骨折」などがある。

骨の断面図(イメージ)

(元画像:Anshuman Rath/stock.adobe.com)

 こうした人では運動器の機能が衰弱するロコモティブシンドロームや筋肉量が低下するサルコペニアを伴うことも多く、それが内臓機能障害(基礎代謝の低下、インスリン抵抗性の上昇、生活習慣病などがもたらす循環器障害など)を招く可能性がある。「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2025年版」でも、それが重い場合には「寝たきり」になり「健康寿命」を短くしてしまう可能性を指摘している。

 人生100年時代といわれるが、人生最後の10年が寝たきりとなるのは誰もが避けたいところ。「骨折の背景にある骨粗しょう症は、進行しても痛みなどの自覚症状がなく、気づきにくい『沈黙の疾患』の一つ。それだけに早期発見、早期治療が大切です。自分の年齢、性別、基礎疾患の有無、家族歴などを検討し、タイミングよく骨密度の測定をしてほしい」という萩野氏の訴えにまずは耳を傾けたい。

20~40代をピークに下がり続ける骨密度

 骨密度の測定について、いつごろ考え始め、どう検査を受けたらいいのか。それを知るには骨密度がいつ頃からどのように変化するかを知ることが重要だ。

 以下に示したグラフは年齢ごとの骨密度の推移を示したものだ。3本の線が示されており、真ん中が平均的な値。骨密度は個人差が大きいため上下の線でその幅を示している。縦軸は骨密度を示すために使われるYAM値(%)で、20代を100%としており、その状態は40代半ばまで持続する。

骨密度の推移(イメージ)

 骨密度の低下は女性の方が早く40代半ば以降の閉経期に大きく下がる。男性は少しずつ下がる。YAM値が黄色の部分(70~90%)に入れば「骨量減少の要注意段階」とされることが多い。そして70%未満になれば「骨粗しょう症」と診断される。萩野氏は「骨粗しょう症は治療が必要な『病気』と理解してほしい」と訴えている。

 

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「健康で長生き」の人は、人や社会とのつながりを維持している――。誰しもそうだろうと思っていたことが、近年の科学的研究からも裏付けられるようになってきた。「自分は社会とつながっている」と思っている人も、リタイア後に自分が第三者との関わりを維持できるかどうかを想像しておきたい。ただ、「人付き合いは苦手。独りがいい」という人もいるだろう。東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加とヘルシーエイジング研究チーム専門副部長の桜井良太氏に、孤立と精神的健康、脳の海馬への影響など最新研究の内容を詳しく聞き、これからの人生の過ごし方のヒントをつかもう。

>前編 1人だと運動効果が減る?「社会参加」の健康への影響は想像以上だった

 健康のためにウォーキングや筋トレに励んでいる、という人にとって、見落としがちなのが「社会的にアクティブであるかどうか」ではないだろうか。

(写真はイメージ:PIXTA)

 身体機能や歩行機能、認知機能と社会的活動の関わりについて幅広い視点から研究を行っている東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加とヘルシーエイジング研究チーム専門副部長の桜井良太氏は、「社会的つながりがあると、自然と健康に気を配る意識が高まり、健康行動が習慣づきやすい。また、病気や死別・離別といったストレスフルな出来事も、人とのつながりや支援があれば乗り越えていくことができます。社会的つながりがあることは、要介護・死亡リスクの低下などと関わることが分かってきました」と話す(前編)。

 WHOの「社会的つながり委員会」は、2025年6月に「世界人口の6人に1人が孤独に悩み、それが健康とウェルビーイングなどに重大な影響を及ぼしている」とし、「社会との強いつながりは肉体的、精神的ウェルビーイングにつながる」というレポートを発表した(*1)。

 「このような社会的つながりが希薄になった状態、すなわち社会的孤立は健康に様々な悪影響を与えます。例えば、婚姻状況、他者との接触頻度、社会活動頻度から社会的孤立を定義した米国の大規模疫学研究では、社会的孤立状態にある人は、社会的孤立状態にない人に比べて男性では1.62倍、女性では1.75倍死亡リスクが高かったと報告しています(*2)」(桜井氏)。

 そうはいっても、「社会とつながる方法が分からない」、「この年齢になってあらためて友人を作るのは難しい」、「そもそも好きで独りでいる」という人もいる。「これまでの研究で、社会的孤立状態が精神的健康度に悪影響を及ぼすことが分かっています。しかし、このような孤立の悪影響についてお話しをすると、必ずといっていいほど『私は好きで独りでいるのだから大丈夫』とおっしゃる人がいます」(桜井氏)

 そこで桜井氏は、「独りでいることを好む、独り好き志向の高い人と精神的健康度」をテーマに研究を行ったという。

 その結果、独り好き志向性(*)が高い人であっても、社会的孤立状態にある人は精神的健康度が低い状態にあることが分かった。

* この研究での「独り好き志向性」は、0~12点で評価され、高齢者では10点以上を「高レベルの独り好き志向」と定義。高齢者においても独り好きの人が比較的多いことが分かった。

図1 独り好き志向は精神的健康度悪化のリスクに

9000人(20~39歳の若年者、40~59歳の中年者、60~79歳の高齢者各3000人)を対象にインターネット調査を行い、Preference for Solitude Scaleという質問表で「独り好き志向性」を評価。社会的孤立(同居家族以外との対面および非対面のコミュニケーション頻度が両者を合わせても週1回未満)、精神的健康状態(ウェルビーイング、悩み・抑うつ傾向、主観的孤独感)の関連を調査した。加えて、「他者との付き合いの煩わしさ」程度を調査し、独り好き志向性と精神的健康状態の間の関係を検討した。その結果、独り好き志向性が高い人もしくは社会的孤立者ほど、精神的健康度(WHO-5:ウェルビーイング度)が低く、社会的孤立の悪影響への独り好き志向性の緩和効果は認められなかった。(データ:J Affect Disord. 2024 Nov 15:365:466-473.)

*1 WHO「From loneliness to social connection - charting a path to healthier societies: Report of the WHO Commission on Social Connection」,2025

*2 Pantell M, et al. Social isolation: a predictor of mortality comparable to traditional clinical risk factors. Am J Public Health. 2013; 103: 2056-2062.

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古武術式! 日常動作の極意

 岡田慎一郎=理学療法士・介護福祉士

古武術は、合理的な動きにより相手を制する技を研究し磨き続けてきた、日本古来の武芸の総称だ。本連載では、古武術をヒントにした合理的な体の使い方を研究する、理学療法士・介護福祉士の岡田慎一郎さんに、この技を日常生活に取り入れる方法を伺っていく。

 講習会などで接する中高年の傾向として、駅の階段を上るのがキツくなってきた、ちょっとした坂道もおっくうに感じる、そんな人が結構多い印象です。小走りも、年齢とともに苦手になってくるようです。今回は、負担が少なく、疲れにくい階段の上り下りや小走りの技術を紹介します。

疲れている時に行っている動作がカギだった

 通常、階段を上る際、手と足はそれぞれ違う側を交互に出します。これでは腰がねじれてしまうため、上半身と下半身の動きが分断されて全身が連動しにくくなります。そのため、階段の上り下りでキツさを感じてしまいます。この通常の上り方を改めていきましょう。

 階段の上り下りを楽にするには、「腰をねじらない=手と足の連動性を高める」というのがポイントになります。腰をねじらない動作の基本は、同じ側の手と足を出すことです。

 これは特別なものではなく、実は、私たちはある時に自然とこの動作をしています。どんな時かというと長い階段を上っている時です。思い出してみてください。疲れてくると、いつの間にか膝や太ももに手をついていることがありませんか。自然に体が合理的な動きを求めているのです。

 手を太ももにつけると、手と足が同時に動きやすくなります。そして、腰がねじれなくなるので、上半身と下半身が連動し、全身を使いやすくなるのです。脚力だけで上るよりも、全身で上がるほうが、やはり圧倒的に楽なのです。

 ここからは実際の階段の上り下りのポイントを紹介します。

階段を上る時:同側の手足を連動させる

小指を巻き上げながら手足を連動させ階段を上る

 先に紹介した、自然としている太ももに手のひらをつけた状態の上り方は、スピードが制限されます。駅の階段を小走りで駆け上がるなど、急いでいる時にはプラス・アルファの工夫が必要です。太ももから手を離し、手の小指を自分のほうに巻き込むようにしながら、同じ側の膝を上げてみてください。リラックスしていると自然と小指の動きに引かれるようにして、膝が連動してくると思います。小指と膝とが糸でつながっていて、一緒に動くイメージです。手足がバラバラに動いていた状態から、手足が連動し、効率的な動きへと大きく変化していきます。もちろん、駆け上がらずに、普通の速度で上がる時にも有効です。

①小指を巻き上げるタイミングで、膝を引き上げ階段を上る。

(イラスト:村林タカノブ)

②つま先と膝は少し外に向けたほうが引き上げやすく、膝にかかる負担も軽減される。

(イラスト:村林タカノブ)

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日本古来の古武術には、日常生活においても体に負担をかけず、楽に動くためのヒントがたくさん隠されている。筋トレなどで体を鍛えなくても、今日から身軽に動ける上に、腰や膝を傷めにくくなる。そんな「古武術」式の日常生活動作をここでマスターしよう。講師は、理学療法士・介護福祉士として古武術を応用した合理的な体の使い方を研究する岡田慎一郎さんだ。

岡田慎一郎(おかだ しんいちろう)氏 理学療法士、介護福祉士、介護支援専門員

1972年生まれ。身体障害者、高齢者施設に勤務し、独自の身体介助法を模索する中、武術研究家の甲野善紀氏と出会い、古武術の身体運用を参考にした『古武術介護入門』(医学書院)を刊行し、大きな反響を呼んだ。近年は介護、医療、リハビリ、消防救命、育児、健康増進、教育など、幅広い分野で身体を通した発想と実践を展開させ、講演、執筆、企業アドバイザーなど多岐にわたる活動を国内外で行う。『古武術式 疲れない体の使い方』(三笠書房)、『身体を痛めない介護術』(中央法規)など著書多数。

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市川衛(いちかわ まもる) 武蔵大学社会学部メディア社会学科 准教授

医療の「翻訳家」。2000年東京大学医学部卒業後にNHK入局。医療・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員を期に、一般社団法人メディカルジャーナリズム勉強会を立ち上げ代表に就任。20年より広島大学医学部客員准教授。25年より武蔵大学社会学部メディア社会学科准教授。主な作品にNHKスペシャル「睡眠負債が危ない」。19年Yahoo!ニュース個人オーサーアワード特別賞。

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 市川衛=医療の翻訳家・武蔵大学准教授

本連載で、まず着目するのは「予防」だ。病気を予防したり、早期に発見して治療すれば、医療にかかる必要性を減らすことができる。ただ、「病気を予防する」のはそんなに簡単なことではない。世の中にある予防法や検査法の中には、効果がきちんと確かめられていないものや、多額のお金や時間がかかるものが少なくない。世間一般で「カラダに良い」とされていることが、その逆だったりすることもある。だからこそ自分に必要なものを「見極める」戦略的な視点が大事なのだ。

(写真:BillionPhotos.com/stock.adobe.com)

中年太りが一番長生きだった

 「要は中年太りが一番長生き、ということなんですよ」

 そう発言したのは、疫学・予防医学分野の第一人者である津金昌一郎氏。国立がん研究センターで長く研究し、国立健康・栄養研究所の所長も務めた(現・国際医療福祉大学大学院医学研究科教授)。

 一般的に、中年太りは「不健康の象徴」とされている。中年になって、大学生の頃から10kg以上太っていると健康に良くないなんて話を聞いた人も少なくないだろう。しかし津金氏が日本人を対象に実施した大規模研究で、中年太りを経験した人こそが「長生き」と示唆する結果が出ているというのだ。

 津金氏が国立がん研究センター時代に中心となって立ち上げ、現在も続く「多目的コホート研究(JPHC Study)」。日本各地に住む約10万人から生活習慣などに関する情報を集め、20年以上にわたって追跡することによって、どんな属性や生活習慣が病気や死亡に関連しているのかを明らかにしようとしている。

 津金氏らはこの研究の一環として、「肥満指数の変化と死亡リスクとの関連」を調べた。年齢を重ねると、多くの人が体重の変化を経験する。世間一般では、若い頃からスリムで、年齢を重ねても体重に変化がない人が健康的だと考えられがちだが、本当にそうなのだろうか? それを調べるために、対象者を20歳以降の体重の変化によって6つのグループに分けた。

表1 体重変化による6つのグループ

BMI(体格指数、体重(kg)÷ 身長(m)の2乗で示す)を基準とし、BMI20未満=やせ、20~25=普通、25~30=過体重、30以上=肥満とした。

 そして、対象者を最長で26年間追跡したデータを分析し、各グループにおいて、期間中に死亡した人がどれだけいたかを調べた。

図1 各グループと全死亡リスク

各数値はグループ②(普通体重範囲内で体重が増加した群)を基準としたもの。若い頃からスリムで、年齢を重ねてもやせている群は、最も死亡リスクが高かった。*は有意差があることを示す。(出所:国立がん研究センター「多目的コホート研究(JPHC Study)肥満指数の変化と死亡リスクとの関連について」)

 結果をまとめたのが上記のグラフだ。ハザード比とは、ある結果が発生するリスクの比を示す。この値が小さければ小さいほど、「死亡」が起きにくいこと(≒長生き)を表す。

 有意差はなかったものの、最もハザード比が小さかったのはグループ④の「20歳の頃は普通の体格で、その後、過体重になった人」たちだった。若い頃は普通で、中高年でぽっちゃり。まさに「中年太り」と言い換えてもいいかもしれない。ちなみに、同じようにリスクが低かったのはグループ②「20歳の頃は普通の体格で、その後、少し太った人」たちだった。

 では逆に、健康そうに思える「若い頃からスリムで、年齢を重ねてもやせている人」たちはどうだろうか。その条件に当てはまるグループ①を確認すると、ハザード比は1.26。全グループの中で最も高く、グループ②(20歳の頃は普通の体格で、その後、少し太った人)より統計的有意に「死亡」が起きやすかった。

 この結果から、何を読み取ればよいのか。

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市川衛(いちかわ まもる) 武蔵大学社会学部メディア社会学科 准教授

医療の「翻訳家」。2000年東京大学医学部卒業後にNHK入局。医療・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員を期に、一般社団法人メディカルジャーナリズム勉強会を立ち上げ代表に就任。20年より広島大学医学部客員准教授。25年より武蔵大学社会学部メディア社会学科准教授。主な作品にNHKスペシャル「睡眠負債が危ない」。19年Yahoo!ニュース個人オーサーアワード特別賞。

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「健康Q&A」は、医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場、あなたの疑問やお悩みに答える連載です。

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「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。2025年11月の回答者は、「鼻の病気」に詳しい東京大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授の近藤健二先生です。

東京大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授の近藤健二先生Q&A

前編

  • Q 1 口呼吸よりも鼻呼吸のほうがいい? 答え
  • Q 2 鼻の乾燥に悩んでいます 答え
  • Q 3 鼻毛のケアはどうすれば? 答え
  • Q 4 妻のいびきが気になります 答え
中編
  • Q 5 嗅覚を改善する方法を教えてください 答え
  • Q 6 人と飲食をするとき鼻水が出ます。何か対策はありますか 答え
  • Q 7 寝るときに左の鼻が詰まってしまいます 答え
  • Q 8 1日に7~8回くらい、くしゃみをします 答え
  • Q 9 「鼻の調子が悪い」とは、どのような段階があるのでしょうか 答え
後編 ←今回
  • Q10 水のような鼻水と、黄色いねばついた鼻水が出ます 答え
  • Q11 ここ数年、風邪をひくたびに副鼻腔炎になります 答え
  • Q12 後鼻漏がひどくて寝られない日があります 答え
  • Q13 鼻中隔弯曲症に手術以外の治療方法はありますか 答え

編集部:東京大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授の近藤健二先生にお答えいただく今月の「健康Q&A」。後編最初の質問は「副鼻腔炎」についてです。

副鼻腔炎は大きく2つのタイプに分けられる

Q10 下を向くとサラサラの水のような鼻水が垂れることがあります。また、黄色いねばついた匂いのある鼻水が出ることもあります。副鼻腔炎でしょうか?(60歳男性)

近藤氏(以下敬称略):「黄色いねばついた鼻水」「匂いのある鼻水」ということですと、確かに副鼻腔炎の可能性が高いと思います。

編集部:副鼻腔炎というのは、鼻の周辺にある副鼻腔という空洞に炎症が起こって膿がたまり、鼻詰まりなど不快な症状が表れる病気ですね。かつては蓄膿症とも呼ばれました。

副鼻腔は鼻の周囲にある骨の中の空洞で、額の裏側にある「前頭洞」、目と目の間の「篩骨洞」、頬の裏側にある「上顎洞」などで構成される。(イラスト:PIXTA)

近藤:はい。鼻水と鼻の病気の関連で言うと、例えばサラサラの鼻水が出て、くしゃみも出るというのは、典型的にはアレルギー性鼻炎で、花粉症やダストアレルギーが多いです。一方、黄色っぽくて、匂いもあって、どろっとした鼻水というのは、副鼻腔炎のことが多いです。副鼻腔炎も種類がありまして、大きくは細菌が感染して起こるタイプと、体の免疫異常やアレルギーで起こるタイプに分けられます。前者の細菌が感染して起こる副鼻腔炎というのは、例えば風邪のとき一時的に起こる急性の副鼻腔炎、それに虫歯が原因で起こる「歯性副鼻腔炎」というのもあります。

編集部:歯性副鼻腔炎。つまり虫歯の菌が副鼻腔に入ってしまうのですか?

近藤:そうです。上側の歯の虫歯がひどいとき、もう本当に歯の根っこのほうまで虫歯が進んでしまうと、距離的にすぐ近くの副鼻腔まで炎症が広がってしまうことがあるんです。そういう場合は、歯が悪い片側から、とてもくさい膿のような鼻水が出るという症状が起こります。

 これら細菌感染によるものとは別に、アレルギーや免疫異常に関係する副鼻腔炎があります。代表的なものとして「好酸球性副鼻腔炎」があり、これは厚生労働省の指定難病にもなっています。原因はまだ完全に突き止められていませんが、慢性化して鼻のポリープ(鼻茸:はなたけ)が多発しやすく、嗅覚も落ちやすくなります。

 このように、ひと口に副鼻腔炎といってもタイプによって治療法も変わってきます。まずは耳鼻科に行って、実際に副鼻腔炎がどこにどのようにあるのかを調べる。鼻の中の内視鏡検査をして、レントゲン写真などを撮っていただくのがいいと思います。まずはそれが第1段階ですね。

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「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。2025年11月の回答者は、「鼻の病気」「嗅覚障害」などに詳しい東京大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授の近藤健二先生です。

東京大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授の近藤健二先生Q&A

前編 ←今回

  • Q 1 口呼吸よりも鼻呼吸のほうがいい? 答え
  • Q 2 鼻の乾燥に悩んでいます 答え
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中編
  • Q 5 嗅覚を改善する方法を教えてください 答え
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編集部:東京大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授の近藤健二先生は、嗅覚障害や副鼻腔炎など、鼻のトラブルや病気のプロフェッショナル。日経Goodayでも「名医が解説!最新治療トレンド」などにご登場いただいています。そんな近藤先生に向けて読者からの質問を募集したところ、たくさんのお悩みが寄せられました。近藤先生の回答を、前編・中編・後編の3回に分けてお届けします。

近藤氏(以下敬称略):よろしくお願いします。

編集部:では、さっそく最初の質問です。

口呼吸を直す方法は?

Q 1 口呼吸より鼻呼吸がよいと言われますが、本当でしょうか? 私は口呼吸が多いように思うので気になっています。朝起きると口が乾燥していることが多いです。直すことはできないでしょうか?(58歳男性)

編集部:最初の質問は、口呼吸と鼻呼吸についてです。呼吸は鼻でも口でもできるわけですが、よく「鼻呼吸のほうがよい」と言われますね。

近藤:はい、結論から言うと鼻呼吸のほうがよいです。まず、鼻には大きく4つの機能があります。吸気の「加温」、吸気の「加湿」、ほこりを取る「防塵(ぼうじん)」、あとは「嗅覚」ですね。この加温、加湿、防塵というのは、口呼吸では部分的にしか達成されません。鼻の中にはとても細かいひだがあり、その隙間を空気が抜けていくことによって、加温や加湿が行われる仕組みになっています。口呼吸をすると、あまり加温も加湿もされていない空気が気管に直接入ってしまいます。そのため、のどや気管を痛めやすいということがあるので、鼻呼吸のほうが望ましいのは間違いありません。

鼻呼吸と口呼吸の違い

編集部:眠っているとき、口呼吸をしている人が鼻呼吸に直すことはできますか?

近藤:鼻がすごく詰まっている場合は、鼻詰まりの治療が必要です。一方で、鼻が詰まっていなくても、長年のクセで口呼吸になっている人も直せる可能性があります。しかし本人は眠っていますから、自分の意志で矯正することはできません。対策としては、口にテープを貼って眠る方法があります。実際そうしている人もいます。苦しくなければ、それでもいいでしょう。あとは枕の高さ。高さを調整することによって、のど周りの形がいくらか変わりますので、鼻呼吸に誘導できる可能性はあります。

編集部:枕は高くしたほうがいいのですか? そのほうが口は閉じやすい気がしますが。

近藤:いや、それは個人差があって一概には言えません。確かに少し高めにすると口は閉じやすいですし、鼻通りがよくなるので鼻呼吸に誘導しやすいこともありますが、高すぎると舌の付け根あたりが狭くなるという問題が出てきます。気道が狭くなって無呼吸を起こすかもしれません。

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東京大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授の近藤健二先生Q&A

前編

  • Q 1 口呼吸よりも鼻呼吸のほうがいい? 答え
  • Q 2 鼻の乾燥に悩んでいます 答え
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中編 ←今回
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後編
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  • Q13 鼻中隔弯曲症に手術以外の治療方法はありますか 答え

編集部:東京大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授の近藤健二先生にお答えいただく今月の「健康Q&A」。中編最初の質問は「嗅覚」についてです。

嗅覚が落ちてきたような気がする

Q 5 嗅覚が落ちているようで気になっています。改善する方法を教えてください。(62歳男性)

編集部:ほかにも「日によって嗅覚が良いときと悪いときがあります(57歳女性)」など、嗅覚が落ちたことに悩んでいる人がたくさんいらっしゃいました。

(写真はイメージ:PIXTA)

近藤:「嗅覚が落ちた」と受診する人で、どういう原因が多いかというと、上位は副鼻腔炎や鼻炎などの鼻の病気です。特に鼻にポリープ(鼻茸:はなたけ)ができたりすると、すごく匂いが通りにくくなるので、嗅覚が落ちやすくなります。この場合の対策は、その鼻の病気の治療をするということですね。

嗅覚障害の主な原因

  • 副鼻腔炎
  • アレルギー性鼻炎
  • ウイルス性の嗅覚障害(感冒後嗅覚障害、新型コロナも含む)
  • 外傷性嗅覚障害
  • その他(先天性、神経変性疾患、薬物性など)

 次に多いのが「ウイルス性の嗅覚障害」で、コロナ嗅覚障害もこれの一種です。原因になるウイルスはいろいろな種類がありますが、要するにウイルスが鼻に感染することによって嗅覚神経が傷められることで起こります。

編集部:コロナ禍のときは味覚障害が注目されましたね。

近藤:実際は、味覚障害より嗅覚障害のほうが多いんです。どちらかというと、味覚よりも嗅覚のほうがもろい感覚なのです。嗅覚だけ落ちて味覚が落ちてない人、両方落ちている人、味覚だけ落ちている人、と3パターンで分けると、味覚だけ落ちている人はほぼいません。両方落ちることもありますが、嗅覚だけ落ちているケースが圧倒的に多いです。

 耳鼻科ではコロナ禍以前から、インフルエンザなどでも同じ症状が起こることが古くから知られていました。医学用語では「感冒後嗅覚障害」と言います。要するにウイルス感染が起こって、ウイルスがいなくなった後も嗅覚が戻ってこないという病気です。

 そこまでは原因が分かりやすいものですが、ほかにも先天性、薬剤による副作用、外傷性、アレルギーなど、嗅覚が落ちる原因はいろいろあって、4分の1くらい原因が分からない場合もあります。つまり鼻の中を見ても、CT写真やMRI写真を撮っても、原因がはっきり突き止められない。この中には年齢変化というのも、かなり入っているといわれます。

編集部:目や耳と同じく、鼻も加齢によって衰えるんですね……。

近藤:それははっきり分かっています。例えば聴覚の場合、30代から40代、50代、60代、とゆっくり落ちていくんですが、嗅覚の場合は60代くらいから急激に落ちます。60歳くらいで嗅覚障害がある割合は1~2%程度ですが、80歳くらいで20%、85歳で50%といわれます。なので、高齢者で特に鼻の病気もしたことがないのに「匂いがしません」というケースは、ここに入ってくることが多いでしょう。アルツハイマー型認知症やパーキンソン病が関わっている可能性もありますが、それは一部だと思います。

 ちなみに、どの年齢層でも検査をすると女性のほうが嗅覚がいいんです。それは20代から80代まで一貫しています。一方で、男性は嗅覚が落ちても気にしない人が多いです。「嗅覚が落ちた」と病院に来るのは大半が女性ですね。もともと嗅覚が良くて、しかも日常生活でよく使ってきたものが、加齢で落ちてくると生活の質が下がる。それで病院に来るのだろうと推測しています。

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サウナ好き救急医の三谷雄己さん、2025年11月は札幌に飛びました。そこで開催された、日本サウナ学会総会に参加し、多くのサウナ識者やサウナ愛好家と知見を深めてきました。リポートをお届けします。

 2025年11月22日、北海道札幌で開催された日本サウナ学会総会に参加してきました。テーマは「サウナが解き明かす『こころと身体・脳・社会』」。

2025年11月、日本サウナ学会総会がEZOHUB SAPPOROにて開催された。(写真提供:三谷さん)

 会場はサツドラホールディングス本社の「EZOHUB SAPPORO」でした。最大100席ほどのセミナールームに、医師や研究者、サウナ事業者、建築家、デザイナー、クリエーター、そして純粋にサウナが好きな一般の方々がぎっしりと集まっていました。

 学会のドレスコードは「スーツ・ネクタイ禁止」。さらにサウナポンチョも可という、学会としてはかなり珍しいゆるさでした。参加者全員がカジュアルな服装なのですが、内容は驚くほど本格的。そういうギャップも含めて、「サウナ学会らしさ」を体感する一日になりました。

この連載でもおなじみのキャラクター「ととのえ隊」が日本サウナ学会の公認キャラクターになりました!(写真提供:三谷さん)

 日本サウナ学会は、いわゆる医学会とも、単なるサウナファンの集まりとも違います。サウナという一つのテーマを軸に、医学、生理学、脳科学、社会学、文化論、観光、ビジネス、デザイン、地方創生など、さまざまな分野の専門家が一堂に会し、互いの視点を持ち寄る場です。救急医として日々「命」と向き合っている私にとっても、純粋に勉強になり、そして何より「サウナってやっぱり面白い」と再認識させてくれる貴重な機会でした。

 この記事では、当日のセッションを振り返りながら、私自身の感想も交えて、日本サウナ学会総会2025札幌の全体像をお伝えします。特に今回は、医学以外の視点からサウナを捉えた研究や議論が多く、「サウナってここまで多面的に語れるのか」と驚かされる場面もたくさんありました。

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サウナが大好きな救急医・三谷雄己さんの連載。サウナの効能や誰もが安全にサウナを楽しむための知識を医学的に解説します。ときどきサウナ愛を語ります。

三谷雄己(みたに ゆうき) 広島大学病院救急集中治療医学所属

サウナや温泉を愛好する傍ら、「Preventable Sauna Death(防ぎ得たサウナ関連死)」をゼロにすべく、サウナと体の仕組みを医学の視点から深掘りする発信を続けている。救急科・集中治療科専門医。サウナ・スパ健康アドバイザー。「ととのえ隊」という日本サウナ学会公認キャラクターを監修している。 X → @totonouqq インスタグラム → @totonouqq

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「最近、肩が上がりにくい」「腕を上げるとズキッと痛みが走る」──これらの症状を、単なる肩こりや「五十肩」だとあきらめていませんか。肩の痛みの原因はさまざまで、放置すると症状が悪化し、日常生活に支障を来すこともあります。しかし、適切な治療や日々のケア次第で軽減させることは可能です。本特集では、五十肩とよく似た病気の見分け方から、それぞれの治療法、悪化を防ぐセルフケアを紹介します。肩の専門医のアドバイスに沿って、一生モノの肩の守り方を見ていきましょう。

今井晋二(いまい しんじ)氏 滋賀医科大学整形外科学講座 教授

1989年滋賀医科大学医学部卒業。2015年より現職。日本肩関節学会理事長。関節鏡を使った肩や肘の低侵襲手術、リバース型人工肩関節置換術をはじめとする肩関節外科を専門とする。監修に『40歳からの肩こり・肩の痛み』(NHK出版)。

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