1日2~3杯の「コーヒー」が『腎臓』を救う!? “腎臓ケア”に有効なワケ【医師解説】
編集部: 腎臓の機能を教えてください。 本田先生: 腎臓は血液をろ過し、老廃物や余分な水分を尿として排出する臓器です。同時に血圧の調整、赤血球を作るホルモンの分泌、体内の電解質バランスの維持など、生命維持に欠かせない役割を担っています。 編集部: 腎臓が悪くなると、どのような症状が出ますか? 本田先生: 初期はほとんど自覚症状がありませんが、進行するとむくみ、だるさ、食欲不振、かゆみ、尿の泡立ちや色の変化などが表れます。放置すると腎不全に進行することもあるため、早期発見が重要です。 編集部: 尿の変化で腎臓の異常はわかりますか? 本田先生: 尿が濁っていたり、泡立っていたりしたときは注意が必要です。尿のにおいも変化するといわれていますが、においの変化で気がつくケースはまれです。 健康診断や人間ドックなどの尿検査でたんぱく尿や血尿を指摘される場合も、腎臓がダメージを受けている可能性があります。こういった場合は、必ず医療機関を受診しましょう。 編集部: 腎臓病はどうして気づきにくいのでしょうか? 本田先生: 腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、症状が出にくい臓器だからです。腎機能が50%以下になっても自覚症状が出ないことも多く、本人が気づいたときにはかなり進行していることがあります。
編集部: 腎臓を守るために日常生活で意識した方がいいことを教えてください。 本田先生: 健康的な食生活をまずは心がけましょう。暴飲暴食や過度なダイエットは腎臓に負担をかけることがあります。塩分を控え、適度な水分を摂り、血圧や血糖値を良好に保つことが大事です。 また、睡眠の質の向上やストレス管理、禁煙も重要ですね。家族や親戚に腎疾患を抱えている人がいる場合は、とくに注意していただけたらと思います。 編集部: 腎臓の健康状態はどのようにチェックするのでしょうか? 本田先生: 尿検査が最も手軽で有効です。尿たんぱくや尿潜血を調べることで、腎臓の異常を早期に発見できます。血液検査ではeGFR(推算糸球体濾過量)を確認し、腎機能の状態を把握します。 編集部: どのようなときに病院を受診したらいいのでしょうか? 本田先生: まずは、健康診断や人間ドックで異常を指摘されたケースですね。ほかにも、尿の量・色・においがいつもと違う、むくみが出る、血圧が高い、慢性的な疲労を感じる、かゆみで眠れないという症状が出ているときは受診をおすすめします。とくに、糖尿病や高血圧の人は定期的に腎臓の検査を受けてください。
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編集部: 「コーヒーは腎臓によい」と聞きますが、本当ですか? 本田先生: はい。コーヒーに含まれる抗酸化物質やポリフェノールが、腎臓の炎症や酸化ストレスを抑えると考えられています。実際、近年の研究によると1日2~3杯コーヒーを飲む人は、慢性腎臓病の発症リスクが低い傾向にあるというデータも報告されています。 編集部: カフェインは体に悪い、というイメージがあります。 本田先生: 過剰摂取はもちろん良くありませんが、適量であれば問題ありません。むしろ血管拡張作用により腎血流を改善する可能性があります。カフェインに弱い人やカフェインを控えたい人は、デカフェ(カフェインレス)を選ぶとよいでしょう。 実は、デカフェでもコーヒーに含まれるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」は含まれています。クロロゲン酸には抗酸化作用があり、腎臓の炎症を抑える効果があることも報告されています。 編集部: すでに腎臓病を患っている人がコーヒーを飲んでも大丈夫でしょうか? 本田先生: 腎臓病の末期患者さんへの進展抑制効果も報告されていますし、基本的には飲んでもらって構いません。 ただし、腎臓の機能が低下している人の場合、カリウム値には注意が必要です。コーヒーにはカリウムが含まれているため、自己判断する前に一度医師と相談してください。 大前提として「腎臓病」と一口にいっても症状は一人ひとり異なるので、医師や栄養士の指示に従うようにしてください。 編集部: コーヒーを飲むときの注意点はありますか? 本田先生: 砂糖やクリームの摂りすぎに気をつけてください。できればブラック、または無糖ミルクで飲むのが理想的ですね。糖質や脂質の過剰摂取は生活習慣病の悪化につながります。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 本田先生: ストレスから解放されてリラックスできるひとときは、腎臓にもよい影響を与えてくれますし、私自身も音楽を聴きながらコーヒーを飲む時間を大切にしています。ストレスは自律神経を乱し、血流を悪化させて腎機能に負担をかけることがあるため、心を落ち着ける時間を持つことが大切です。 ストレスを軽減させるうえに腎臓にもよいコーヒーは、まさに一石二鳥の飲み物ですよね。昔は「腎臓病には薬がない」といわれていましたが、今は治療薬の選択肢も増えています。日常生活の中で腎臓をいたわり、異変を感じたら早めに受診し、早期に治療を開始することが、将来の健康のためにも重要です。