【え】日清食品の試食会に行ったら自分1人しかいなかった! 『天下一品 濃厚鶏白湯』のチルド麺もあったけど…
つい先日のこと。私宛に日清食品から一通のメールが届いた。件名には「チルド商品を食べに来ませんか?」とあり、要するにチルド食品の試食会が開催されるらしい。
正直、日清のチルド食品と聞いてもパッと商品が出てこないが、ロケットニュースの事務所から日清食品までは歩いて10分ほど。「ちょっと行ってみるか~」と軽い気持ちで出かけたところ、思わぬ事態が待ち受けていたのである。
・えっ
まず最初の「思わぬ事態」は、試食会の参加者が私1人だったこと。試食会自体は何日間かにわたり開催されるらしいが、まさか1人で参加することになるとは思っていなかった。
というか、去年の夏に参加した「謎うなぎ」の試食会には20人くらいいたような……? マンツーマンの試食会とか、普通に緊張してやりづらい。
2つめの「思わぬ事態」は「担当者の情熱がヤバかったこと」である。偶然にも9年前にお会いしたことがある課長がチルド商品の担当をされているようで、その圧が大げさではなくヤバかったのだ。
佐野課長「サンジュンはん、ようおいでくださいました! ワシはいまチルドを担当しとるんですが、ドライ(カップ麺など)や冷凍に比べて認知度がイマイチなんですわ。
ただワシはチルドが1番ウマいと思うとりまんねや!! 食べてもろうたらホンマわかるハズですねん!! ぜひチルドの美味しさを知って欲しくて今日はお招きした次第なんですわ。毎度おおきに!」
おおう……出だしから圧がスゴイ。今回はこの春から発売される5つの新商品がいただけるとのことだが、まさかのマンツーマン試食会を私は乗り切ることが出来るのだろうか?
・チルド麺って?
さて、ここで「チルド麺」の概要をざっと説明しておこう。チルド麺とはいわゆる「茹で麺」や「蒸し麺」のことで、有名どころでは「まるちゃん やきそば」などがある。
鍋で茹でる必要があるためカップ麺やレンチンの冷凍麺と比較するとやや手間はかかるものの「味自体は絶対に1番おいしいんですわ(佐野課長談)」とのことだ。
まあ麺を茹でるのは袋麺も同じなので、それは良しとしよう。ただチルド商品って日持ちがしないのでは……? 佐野課長にそう質問すると以下のように教えてくれた。
佐野課長「みなさんそう仰るんですが、実はちがいまんねや。うちでは現在100以上のチルド商品があるんですが、長いもんだと60日持つもんもあるんですわ。
これは配合を変えたりして実現したもので、一言で言えば技術の進歩ですねん。“チルド商品は日持ちがしない”ってイメージも、ワシはどうにかしたいと思うとるんです」
なるほど。チルド商品は2週間くらいしか持たないと思っていたが、それは「20年くらい前までの話」らしく、私の知らないうちにチルド商品は着々と進化しているようだ。
・試食スタート
で、今回は試食させてもらった5つの新商品の中で、トップバッターは「天下一品 濃厚鶏白湯」である。ただし、私は初っ端から正確なジャッジは出来なかった。
というのも、私は「天一に3回くらいしか行ったことがないから」で、本物に近いのかは最後まで不明。ただ「美味しい鶏白湯のラーメン」ではある。
お次に、食べた瞬間から美味しかったのが『冷たいトムヤムクンのラーメン』だ。
こちらの商品は人気タイ料理店「マンゴツリー」の監修で、チルド麺ならではのツルツル & キュキュッとした食感が最高! スープも酸味が効いたなかなかの本格派で文句なしのウマさであった。
佐野課長「うちの女性社員たちからメッチャ評判がいい商品ですねん。レモングラスも効かせてますし、えびの旨味も出とりまっしゃろ? いやー、気に入ってもろうて嬉しいですわ!! ありがとさん!」
何はともあれ『冷たいトムヤムクンのラーメン』はウマい! パクチー好きなら “追いパクチー” もいいし、酸味が欲しければライムを絞るなど、カスタムしやすそうなところも好印象だ。
・1人前と2人前の違い
さらに美味しかったのが『至福の辛麺 濃厚旨辛醤油』である。4種の唐辛子と花椒を使用した「特製ブレンド唐辛子」を全て投入すると「辛さレベル5」になる激辛麺だが、個人的には唐辛子を入れない方が美味しかった。
ギリッとしたスープは切れ味抜群で、それでいて旨味も十分。ややとろみのあるスープが中細ストレート麺に絡みつき、パパッと調理したとは思えぬ本格的な味わいだ。
佐野課長「それは “1人前” の商品ですねん。さっきのトムヤムクンラーメンは2人前の商品なんですが、1人前の商品の方がより個性的な味わいを追求していることが多いんですわ」
・チルドもウマい
ほうほう。1人前と2人前の商品にはそんな違いがあるのか。で、この他にも試食させてもらった「カラムーチョ焼そば」は麺のムチムチ感が良き。追いカラムーチョをしてもいいそうだ。
で「行列のできる店のラーメン スパイスカレー」は、思ったほどスパイスがギンギンではなく「ベーシックなカレーラーメン」といった感じ。スパイスカレーを名乗るなら、個人的にはガツンとスパイスを効かせて欲しかった。
とはいえ袋麺などと比較して「チルド商品」がより本格的な味わいであったことは事実。カップヌードルやどん兵衛ほど目立ちはしないものの、日清のチルド商品はなかなかやるようだ。
佐野課長「チルド麺は即席麺や冷凍麺に負けてへんと思うんですわ。カップ麺よりは単価が高いのでスープにもお金をかけられますし、味だけで言うたら日清食品の中でもトップクラスちゃいまっか?
ただいかんせん認知度が低いんですわ。せやからサンジュンさん! ワシはチルド商品の素晴らしさをみなさんに知って欲しい!! ぜひお力添えいただけますとこれ幸い! 毎度おおきにありがとさん!!」
・ちゃいまっせ
なお! 佐野課長の口調が関西弁風なのは完全に私の創作であることをお伝えしておく。終始圧がすごかったので、現場の雰囲気を少しでも感じてもらえるよう関西弁風に味付けしてみました。
1時間弱の試食会が終わって日清を出たとき、なぜか私の足はフラついていた。今回わかったのは「日清はチルドもウマい」そして「マンツーマン試食会の圧はヤバい」ということである。