いまトランプに「最も近い人物」はマスクではなく、この33歳女性だ!

いつもトランプのそばに控えているナタリー・ハープ(中央) Photo by Doug Mills / The New York Times

Text by Maggie Haberman and Jonathan Swan

トランプのフロリダの邸宅に住み込み、政策や人事にも口を出しているイーロン・マスクが話題だが、もっとすごい側近がいると、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じている。トランプのそばから離れないナタリー・ハープが担う役割とは──。

米国のドナルド・トランプ次期大統領はいつも側近たちに忠誠を求めてきたが、ナタリー・ハープほど完璧に応えた者はいないだろう。 ハープは極右系ケーブル局の元キャスターで、現在33歳。ほぼ常にトランプのそばにいる。トランプがゴルフをしているときも、彼のカートの後を走ってついていき、ポジティブなニュースを伝えたり、ソーシャルメディアへの投稿をアップデートしたりする。 そんなハープの存在はトランプの周辺以外ではほとんど知られていない。だが彼女はトランプがホワイトハウスに戻った際に、大統領に影響力のある役割を担う構えだ。大統領執務室のすぐ外に席を置き、トランプと外部との情報の流れをつなぐパイプ役を務め、トランプのSNS投稿も手伝うとみられる。
彼女には正式な役職はないが、選挙キャンペーン中、内輪では「人間プリンター」と呼ばれていた。小型プリンターを持って、トランプの後をついて回り、さまざまな情報をプリントアウトして手渡していたからだ。トランプはスクリーンよりも紙で読むほうを好む。 つまり、ハープはトランプ宛てのテキストメッセージ、ニュース記事、その他の情報が高速回転で飛び交うなかで中心人物としての地位を確立している。 だが、この状況にほかの側近たちの間では懸念の声があがっている。彼らが心配しているのは、ハープが陰謀論的な情報をトランプの耳にかなり入れていることだ。彼女の主なニュースソースのひとつは、極右の陰謀論を流布しているウェブサイト「ゲートウェイ・パンディット」である。 また関係筋によれば、この数週間は、政権移行チームの指揮系統内で、ハープの積極的な言動が目立っているという。

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