日銀は最終的に金利を1%に引き上げる-ティー・ロウが予想
- 今週の政策決定会合では0.25ポイント利上げがほぼ確実視されている
- 1ドル=120円や130円も除外せず、質への逃避的な動きあれば
日本銀行は最終的に政策金利を1%に引き上げ、日本国債利回りに上昇圧力がかかる可能性があると、ティー・ロウ・プライスが予想した。
債券部門最高投資責任者のアリフ・フセイン氏は「中期的に見て、日銀が政策金利を1%に近づけようとするだろうと考えてきた」とし、日銀は「賃金に関する協議によって幾らか背中を押されており、1%まで利上げする口実を与えられている」と語った。
フセイン氏は、イールドカーブのフラット化を見込むいわゆる「フラットニングトレード」を好んでいる。短期債の利回りが長期債の利回りよりも速く上昇した場合に利益を得られるポジションだ。
最近の市場の動きと日銀からのシグナルは、この賭けを裏付けるもので、スワップ市場は日銀が年内に2回の利上げを行う確率90%以上を織り込んでいる。
23、24両日の政策決定会合については、0.25ポイント利上げがほぼ確実視されている。日本の政策正常化に向けたさらなる一歩となる。
10年物日本国債利回りは、先週1.255%まで上昇し、2011年以来の高水準となった。日銀の政策金利は昨年の2回の利上げ後、現在0.25%。
フセイン氏は「日銀は自らのペースを維持するだろう」と述べ、「機会があれば、国内のデータがそれを裏付ける限り、必要とあらばもう少し速いペースで進むだろう」と付け加えた。
円の見通し
米国との金利差から、円は依然としてキャリー取引の調達通貨として好まれているが、世界的な衝撃が安全資産への逃避を誘発した場合、数年ぶりの水準まで円高が進む可能性があるとフセイン氏は指摘。「1ドル=120円や130円を除外するつもりはない」と述べた。
日銀がタカ派的な姿勢をとり、他の国・地域が金融緩和を進めるというシナリオは、円高を促す可能性が十分あるが、そのような水準まで円高が進むとすれば「恐らく質への逃避的な動きによるもの」になるだろうと付け加えた。
ドル・円相場が130円を下回れば2023年3月以来となる。
原題:T. Rowe Price Sees Bank of Japan Hiking Rates to 1% Eventually(抜粋)