販売台数では初代ヴェゼル圧倒も…… スバルXVのほうが評価は上!? コンパクトSUVランキング2014【ベストカーアーカイブス】

 ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回はベストカー名物の「ランキング企画」より、2014年4月号の「コンパクトSUV」カテゴリーのランキングをプレイバック!(本稿は「ベストカー」2014年4月10日号に掲載した記事の再録版となります)

選考:石川真禧照、鈴木直也、国沢光宏、片岡英明、渡辺陽一郎/構成:編集部

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コンパクトサイズのSUV・全7車種のランキング結果。各選考委員の順位を合計して、合計点の低いクルマが高順位となる

 今回のランキング企画では、5名の選考委員がエントリーされたモデルたちのランキングを各々決定、各モデルに付けられた点数を合計し「点数の小さいもの」を上位として総合ランキングが決定……、という方式を採用した。

 当然ながら各選考委員の価値観や判断基準で採点・評価が大きく違う車種もある。本文ではそのあたりを各選考委員に解説してもらっている。

このカテゴリー販売TOP7 ※ヴェゼルはシリーズ合算の販売台数

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 このカテゴリーでは昨年(2013年)末にデビューしたホンダのヴェゼル、そしてヴェゼルハイブリッドの存在が注目だ。販売開始からわずか1カ月で月販台数の8倍となる3万3000台を受注しているだけに、その実力は気になるところ。

 これに対抗するとみられるのが同じく昨年、ハイブリッドモデルを新たにラインアップに加え、販売好調を保っているスバルXVシリーズだ。

 そのほか、ジュークなど既存モデルも控えているものの、事実上ヴェゼルとスバルXVの一騎打ちとなるこのカテゴリー、勝者となるのはいったいどちらなのか!?

2位 ヴェゼルハイブリッド……現行型フィットをベースに開発されたコンパクトクロスオーバーSUV。スタイリッシュなデザインとフィット譲りのメカニズムがウリだ

【編集部からのクエスチョン】国沢さんが5位にランキングしたスバルXVが総合1位になっていますが、これについてはどう考えていますか?

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 このカテゴリー、私にとって魅力的なモデルはヴェゼルとジムニーシエラしかない。

 XVを5位にしたのは簡単で直近に試乗した個体を含め、好ましいコンディションに遭遇していないためかも。エンジン音は気になるし、乗り心地もイマイチ。

 XVを買うのなら0.5秒も迷うことなくフォレスター買ってネオチューンします。ハイブリッドも「凝ったアイドリングストップ付きVX」というイメージ。

 いずれにしろジムニーシエラ以下のクルマは、まったく同じ順位にしたいところ。

 ヴェゼルHVが3位で「同じ順位でいいクルマたち」に含まれるのは自分では買おうと思わないからだ。もう少し洗練されるまでホンダの新世代1モーターハイブリッドは滑らかさ不足。

 輸入車に多いロボタイズドATのフィールが私の好みに合わないのと同じく、1モーターハイブリッドもキビシイ。乗り心地と駆動系の滑らかさが私のクルマの必要条件と言っていい。

 ということでXVもジュークもヴェゼルHVもいいと思っている人が多いなら上位に入ってよろしいんじゃないでしょうか。むしろ皆さんと違う価値観を持っていることに安心した次第。

1位 スバルXV……現行インプレッサスポーツがベースのクロスオーバーSUV。2012年9月デビュー。新型ヴェゼルハイブリッドを振り切り、1位に輝いた

【編集部からのクエスチョン】スバルXVが1位で、いっぽうXVハイブリッドが6位になった理由を教えてください。

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 XVのノーマルエンジン車は、機能のバランスが優れたSUVだ。ベースがインプレッサスポーツだから取りまわし性に優れ、走行安定性も良好。後席の居住性は快適で、荷物も積みやすい。

 さらに最低地上高を200mmとしながら全高は1550mmに抑えた。SUVで立体駐車場を利用しやすいのは、XVと全高が同数値のジューク15RXアーバンセレクションだけだ。集合住宅には立体駐車場が多くXVなら購入しやすい。

 ただしXVハイブリッドでは話が変わる。

 2Lエンジンや4WDはXVの個性を損なわず、乗り心地の不満はハイブリッドになると少し改善される。相応のメリットはあるが、モーターの駆動力は13.6psと低い。駆動用電池もニッケル水素とあって、JC08モード燃費は20km/Lにとどまる。

 となれば実質的な価格差をガソリン代の差額で取り戻すには、XVハイブリッドのエコカー減税が免税になることを加味しても実用燃費で約9万kmを走らねばならないのが気になる。

(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)

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