トランプ氏、和平で進展なければ対ロ制裁と警告 アラスカ会談から1週間

トランプ米大統領は22日、ウクライナ和平に向けた進展がなければ2週間以内にロシアに制裁を科すと警告し、米アラスカ州で行ったロシアのプーチン大統領との会談から1週間が経過しても具体的な動きが見られないことにいら立ちを募らせた。米アラスカ州アンカレッジで15日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン/キーウ/モスクワ 22日 ロイター] - トランプ米大統領は22日、 ウクライナ和平に向けた進展がなければ2 週間以内に ロシアに制裁を科すと警告し、米アラスカ州で行ったロシアのプーチン大統領との会談から1週間が経過しても具体的な動きが見られないことにいら立ちを募らせた。 ウクライナのゼレンスキー大統領が和平実現に向けた圧力強化を改めて呼びかける中、プーチン大統領はトランプ氏の指導力を称賛する発言を行うなど、3者協議の実現を含む和平への道筋はまだ見えていない。

トランプ氏は、ウクライナの和平に向けた努力のいかなる側面にも「満足していない」と表明。ロシアによるウクライナ侵攻を終わらせる取り組みが進展するかどうかは2週間以内に分かるとし、対ロシア制裁を科す可能性を改めて示唆。「われわれが何をするかについて近く決定を下す。極めて重要な決定になる。大規模な制裁に踏み切るか、大規模な関税を課すか、あるいはその両方になるか。何もせずに『それはあなた方の問題だ』と言うかもしれない」と述べた。
こうした中、 プーチン大統領はトランプ氏の指導力がロシアと米国の関係修復に寄与すると確信していると発言。米アラスカ州で15日に行ったトランプ氏との会談で「極めて有意義で率直な話し合いができた」とし、「トランプ大統領の就任により、トンネルの先に光が差し始めた」と述べた。
この日は北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長がウクライナの首都キーウを訪問。 ゼレンスキー大統領はルッテ氏との共同記者会見で、ウクライナに対する「安全の保証」について協議したと述べ、こうした保証はNATO加盟国の集団防衛を定めた北大西洋条約第5条に類似したものでなくてはならないとの考えを表明。和平実現に向けプーチン氏との会談をこれまでも繰り返し要請しているとし、「ロシアは会談が実現しないようあらゆる手段を尽くしている。ロシアとは異なり、ウクライナは首脳会談を恐れていない」と語り、ロシアが和平実現に関心を示さなければ新たな制裁を導入するよう同盟国に呼びかけた。

ルッテ氏は、NATO加盟国はウクライナと協力し、ロシア再びウクライナに侵攻しないよう強固な安全の保証を確立するために取り組んでいると言及。「強固な安全の保証は不可欠で、現在その具体化に向けた作業を進めている」と語った。

ロシアのラブロフ外相は ロシアとウクライナの首脳会談について 、議題の準備が全く整っていないと指摘。「プーチン大統領は首脳会談の議題が整い次第、ゼレンスキー氏と会う用意がある。ただ、議題は全く整っていない」と述べた。

ラブロフ外相の発言についてトランプ大統領は、プーチン氏とゼレンスキー氏は「油と酢」のような関係だとし、両氏が協力できるか「様子を見てみよう」と述べるにとどめた。ただ、ロシアに対する制裁の可能性に言及しながらも、トランプ氏は2026年に米国、カナダ、メキシコが共催するサッカーのワールドカップ(W杯)の観戦をプーチン氏が希望していると言及。「プーチン氏は来るかもしれないし、来ないかもしれない。状況次第だ」と語った。

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