ベッセント氏、中国には信頼できるパートナーとなる「選択肢」がある

ベッセント米財務長官は3日、中国には国際社会の信頼できるパートナーになるか否かの選択肢があると指摘。世界的な不均衡を緩和するために、消費主導型の経済に移行する必要があると改めて強調した。

  ベッセント氏はスイスのチューリヒで開催された会議にビデオリンクで参加し、「国際社会にとって信頼できるパートナーになりたいか、なりたくないか、選ぶのは彼らだ」と発言。

  中国経済について「私は大規模な不動産の危機とは言わないが、大規模な不動産過剰供給の渦中にある。経済を安定させる方法はデフレや過剰生産を世界に輸出することではない」とし、「必要なのは一定の財政刺激策を講じ、過剰な製造をやめ、消費主導型経済への健全な基盤を築くことだ」と論じた。

  トランプ米大統領と中国の習近平国家主席との電話会談の可能性についてはコメントしなかった。ホワイトハウス当局者は同会談について、調整中とこれまで示唆している。

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  米中は3週間前にジュネーブで発表した貿易に関する取り決めを巡り、合意に違反したと互いに非難の応酬を続けている。この取り決めは交渉を進める間、8月半ばまで関税措置を一時停止するという内容だった。

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  トランプ大統領は「米国をより製造業中心の経済にしたいと考えている」とベッセント氏。米国は減税や貿易の再均衡、規制緩和を通じて、国内外資金の投資先としての地位を維持すべく努めていると説明し、精密製造業の振興がトランプ政権の目標の一つだと付け加えた。

  また、スイスと米国の間には人工知能(AI)や金融サービス分野でさらに連携を深める余地があるとの認識も示した。

7月9日の期限延長か

  スイスは上乗せ関税31%の発動を回避するため、米国側との通商協議を続けている。現在は10%に一律軽減されているが、90日間の猶予期限が7月9日に迫っている。

  スイスの通商担当トップ、ヘレーネ・ブドリガー氏は同じ会議で、「交渉が7月9日を過ぎても、関税は現行の10%にとどまる」との確約を米国側から得ていると述べた。

  ベッセント財務長官とグリア通商代表部(USTR)代表の双方から、「我々が誠実に交渉していると見なされる限り」、猶予は延長されると「何度も」伝えられていると、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで同氏は発言。「交渉に関して、これがスイスの唯一の方法だ」とも述べた。

  スイスのズッター大統領もこれまで、交渉が継続している限り、期限は延長されることは「明らか」と述べていたが、これまで米側から公式な確認はなかった。

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原題:Bessent Says China Has a ‘Choice’ on Being Reliable Partner (1)(抜粋)

(7月9日の猶予期限延長に関する記述を追加して更新します)

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