中国CPI、7月は前年比横ばい PPI予想より大幅な落ち込み
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した7月の物価指標は、消費者物価指数(CPI)が前年比横ばいとなった一方、生産者物価指数(PPI)は前年比3.6%下落と、市場予想の3.3%より大幅な落ち込みとなった。長引く不動産不況や米国との貿易問題を巡る不透明感が消費や企業活動への重しとなっている現状を反映した。
PPIは2年以上にわたって下落が続いており、主要産業の過剰生産能力への対応で当局がまだ成果を上げていないことを示した。2023年7月以来の大幅マイナスだった6月と同じ下落率だった。
ただ、前月比では0.2%下落と、6月の0.4%からマイナス幅が縮小した。
CPIは6月の0.1%上昇から減速。ロイターがまとめた市場予測は0.1%下落だった。食品価格は1.6%下落と、6月の0.3%から下げ幅が拡大した。
変動の激しい食品と燃料価格を除いたコアインフレ率は前年比0.8%上昇と、1年5カ月ぶりの高い伸びだった。
CPIは前月比で0.4%上昇と、6月の0.1%下落から上昇に転じ、予想の0.3%上昇を上回った。
中国経済を巡っては、先月に同国の東海岸を襲った熱波や今月の豪雨被害といった異常気象も負荷をもたらしている。
ただ、一部のアナリストはデフレ圧力が和らいでいる兆しがあるとみる。ANZの中国担当シニアストラテジスト、ケイ兆鵬氏はPPIの前月比やコアCPIの前年比が改善していると指摘し、自動車などの業界で「内巻」(過当競争)を防ぐ現行の政策措置が8月以降、PPIを前年比で押し上げると見込んだ。
一方、保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「デフレが終了するかはまだ不明」だと述べた。不動産部門がまだ安定せず、経済が内需よりも外需に支えられており、労働市場もなお弱いことを理由に挙げた。
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