ハッカーがノルウェーのダムをハッキングし4時間にわたり放流させる
ダムがハッキングされ、システムが回復するまで4時間にわたり大量の水が放出される事件がノルウェーで発生しました。ノルウェー当局は新ロシア勢力が背後にいると公式に発表しました。
Norway spy chief blames Russian hackers for dam sabotage in April | Reuters
https://www.reuters.com/technology/norway-spy-chief-blames-russian-hackers-dam-sabotage-april-2025-08-13/Hackers unleash torrent from Norwegian dam, releasing 132 gallons per second for four hours | TechSpot https://www.techspot.com/news/109093-hackers-unleash-torrent-norwegian-dam-releasing-132-gallons.html 2025年4月7日、ノルウェー南西部のブレマンゲルにあるダムの管理システムが不正アクセスを受け、水門が勝手に開けられました。この攻撃が検知され阻止されるまでの4時間にわたり、毎秒約500リットルの水が放出されたと伝えられています。けが人はいませんでした。 調査を行ったノルウェー当局は、ダムへの攻撃をロシアの仕業と公式に断定。この攻撃は欧州全域のインフラを標的とした妨害工作の一環であり、一般市民を威嚇し不安に陥れることが目的だったと主張しました。
この主張の根拠となったのは、親ロシア派のサイバー犯罪グループの透かしが入った動画でした。 ノルウェー組織犯罪対策局は「攻撃の背後にいるグループは、複数の関連組織から構成され、西側企業に対し複数のサイバー作戦を実行しています」と述べました。当局はそれ以上の詳細を明らかにせず、関与した者の具体的な身元を伝えませんでした。 こうした当局の発表に対し、ノルウェーのロシア大使館は「これらの非難は根拠がなく政治的な動機に基づくもので、ロシアによる妨害工作だという主張はでっち上げで、架空の脅威に過ぎない」と反論しています。
ノルウェーは主要なガス輸出国であり、電力は主に水力発電に依存しています。さらにロシアとは北極圏で国境を接しているため、当局は国家インフラや発電施設へのリスクを繰り返し警告しているとのこと。ノルウェー警察保安局のベアテ・ガンガス局長は「ノルウェーおよび欧州全域で今回と同様の脅威が増加する可能性が高いため、ノルウェー国民には備えてほしい」と述べました。
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