トランプ米政権、ミネソタ州へのメディケイド資金支給を停止 不正が横行と主張

米ミネソタ州セントポールにある州議会議事堂/Universal Images Group/Getty Images/File via CNN Newsource

(CNN) トランプ米政権は、ミネソタ州向けのメディケイド(低所得者向け公的医療保険)の資金2億5000万ドル(約390億円)以上の支給を差し止めている。広範囲にわたる不正が行われているとの主張を展開し、同州の民主党指導部への圧力を強める形だ。

バンス副大統領は25日、この異例の措置を発表し、ミネソタ州のウォルズ知事がメディケイドの適切な監督を怠ったと非難した。その上で、不正使用の阻止に向けた受け入れ可能な計画を州が提出するまで、資金の支給停止は継続されると警告した。

「米国の納税者に対する不正行為を阻止するという義務を州政府が真剣に受け止めるまで、連邦政府からの資金提供を停止する」(バンス氏)

政権によるこの取り締まり措置は、トランプ大統領が一般教書演説で不正行為に対する強硬姿勢を誓った翌日に行われた。トランプ氏は不正行為が複数の州で蔓延(まんえん)していると主張したが、具体的な内容は明らかにしなかった。

トランプ氏が新たな不正対策作業部会の責任者に任命したバンス氏は同日、ミネソタ州を皮切りに今後複数の州を取り組みの対象としていく考えを示唆した。政権はまた、杖や歩行器といった耐久医療機器に対するメディケア(高齢者向けの医療保険)給付の新規申請を全米規模で凍結し、同プログラムにおける不正行為の疑いを調査する。

高齢者の医療保険を管轄するメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)のオズ局長は「全般的に、これらの犯罪は詐欺行為の大きな原因になりつつある」と指摘した。

ミネソタ州へのメディケイド資金の支給停止は、州に圧力を掛けるここ数カ月にわたる取り組みの最新事例に過ぎない。これに先駆け保守派は、広範な社会福祉詐欺計画を暴露。トランプ氏及びその側近の注目を集めていた。

このスキャンダルを受け、政権は州への移民対策部隊を増強した。数週間にわたる厳しい摘発は、2人の米国市民の射殺事件につながった。

ウォルズ氏は25日夜、この動きは「詐欺とは全く関係ない」と述べた。

「これは報復作戦だ。トランプは連邦政府全体を武器に、ミネソタ州のような民主党支持の州を罰しようとしている」と、ウォルズ氏はX(旧ツイッター)に投稿。「これらの削減は、退役軍人、幼い子どもを持つ家族、障害者、そして州全体の労働者にとって壊滅的な打撃となるだろう」との見方を示した。

トランプ政権は以前、詐欺の懸念から資金の支給延期を検討していると警告していたが、25日の発表は州のメディケイド制度に支払われるべき連邦政府の資金を一方的に停止する初の試みとなった。

バンス氏は支給を停止する政権の法的権限に関する質問に対し、「かなり自信がある」と述べたものの、詳細は明らかにしなかった。

バンス氏はまた、資金の支給を確保するためにウォルズ氏が満たすべき基準や、政権が支払い再開にどれほど迅速に対応できるかについても曖昧(あいまい)な態度を示した。オズ氏は支給再開の条件として、ミネソタ州がサービス提供者を確認し、真に必要とする人々にプログラムが提供されるよう対処する必要があると示唆した。

「提供者が紛れもなく真の提供者であることを確認しなくてはならない。治療そのものに関係する人間がそこにいない場合が往々にしてある」「請求書を支払う前に請求書が正当なものだと確認するなど、できることは山ほどある」(オズ氏)

オズ氏はウォルズ氏側に対して、60日以内の返答期限を設定したことを明らかにした。

昨年のCMS局長就任以降、オズ氏は連邦保健プログラムにおける不正行為を浮き彫りにすることを職務の主要な焦点の一つとしている。

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