【望海風斗の『エリザベート』】舞台は私の基礎。久しぶりに立つミュージカルの舞台でさゆみちゃんがダブルキャストで良かった!【後編】【VOCE特別インタビュー】|美容メディアVOCE(ヴォーチェ)
ミュージカル界を席巻してきた望海風斗(のぞみふうと)さんが、満を持して『エリザベート』へ出演! しかもタイトルロールであるエリザべートを演じられるとはビッグニュース。望海さんに今の想いを伺いました。
まだ記憶に新しい初めてのストレートプレイへの挑戦、そして映像作品への出演……。宝塚歌劇団を退団後、ミュージカル界を席巻してきた望海風斗さんが、満を持して『エリザベート』へ出演されます。役柄はタイトルロールでもある、「シシィ」(編集部注:エリザベートの愛称)。キャスト発表があってからは話題騒然!
前編では、花組時代に「ルキーニ」を、退団後のガラ・コンサートで「トート」に挑まれた望海さんに『エリザベート』という作品、そして「シシィ」という役についてどんな想いを抱えているのかについて、お聞きしました! 後編では同じくダブルキャストを務められる、宝塚時代の同期でもある明日海りおさんについてのお話もたっぷり伺いながら、ジャンルを問わず“俳優業”を邁進している望海さんに、キャリア形成についてもインタビュー。最近ハマっている美容グッズネタも蔵出しです!!
——今回は宝塚歌劇団時代の同期、明日海りおさんが同じシシィをダブルキャストで演じられます。
宝塚のときもそうですし、『ガイズ&ドールズ』のときもそうですが、本当にさゆみちゃん(編集部注:明日海さんの愛称)とはタイプが違うんです。稽古場での稽古の仕方もそうですし、役へのアプローチも全然違う。私は結構直感的にすすんでしまうタイプなんですが、さゆみちゃんはとても深く深く考えて考えて、自分の中から深めて出すような人なので、タイプの異なる二人が同じ役をやるとどんなふうになるんだろうって。
——それを伺うと、さらに楽しみが増幅します!!
私にないものをたくさん持っているので、彼女から得るものがたくさんあるだろうと思いますし、違うからこその面白さというのもあるだろうと思います。とにかく無事に、二人でやり切れますようにと、お互いにそう思っている感じですね。
——この質問はお二人にお伺いしているのですが、ぜひ「望海さんだけが知っている明日海さん!」というのを教えてください。音楽学校の寮では同じお部屋だったんですよね。
音楽学校に入って一年目はまだ10代だったんですよね。さゆみちゃんは私より年下なのですが、10代の頃の年齢差って結構大きいじゃないですか。私のほうが少しお姉さんだからしっかりしなきゃと思っていたのですが、しっかりしていたのはさゆみちゃんのほうだったりして(笑)
——明日海さんがしっかりしている感じ、何となく想像できます(笑)
でも、いつもお母さんに電話をしていたり、ぬいぐるみを抱いて寝たりしていたのを見ては「自宅が恋しいよね」と思いながら可愛いなって眺めてました。でも、そうやってちょっと油断していると、「だいもん(編集部注:望海さんの愛称)、こうしたほうがいいんじゃない?」と言ってくれたり(笑) 当時から責任感が強い人でしたから。
——お稽古場で一緒にお芝居ができるのは楽しみですね。
『ガイズ&ドールズ』のときは違う役でしたが、今回は同じ役なので、どんなお稽古場になるんでしょうね。『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』のときにも思いましたが、人が違うと生まれてくる役もまったく違うものになるので、役については自分でグッと深掘りしながら、段取り的なところはきっと「さゆみちゃんにいろいろ聞けるし」とも思っているので、ダブルキャストの相手がさゆみちゃんで良かったです(笑)
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——『エリザベート』は長丁場の舞台になりますが、身体のメンテナンスはどうされていますか?
お稽古に入るまでちょっと時間があったので、自分の身体に入れるものはいいものを摂ろうと自宅にいるときは自炊しつつ、しっかり野菜を摂ろうとか、そういうことを意識しています。自分の身体を大切にしたい時期ですね。
——インスタのストーリーズで、蒸し器を使って野菜蒸しを作られているのを拝見しました!
野菜をひたすら入れて、そこにちょっと白身魚入れたり、豚肉入れたりすれば、もう蒸してそのまま食べられるので、便利です! いつか蒸しパンみたいなのを作りたいなって思ってます!
——メンタルの整え方についても教えてください。
メンタルは実際にやってみないと分からないですけれど、それこそ花組で『エリザベート』をやったときにはスタッフから「やっぱり『エリザベート』ってどうしてもみんなが苦しくなっちゃうから、なるべく楽屋では笑っていて」と言われたんです。でも、そのときの花組は、そんな心配がないくらいずっと笑って過ごせていたんです。
——やはり作品によっても大きく違ってくるんですね。
ええ。でも確かに『エリザベート』はしんどい部分もあるので、そういう意味ではちゃんとオンとオフを切り替えられるように楽しみも見つけていこうかなと思っています。公演中になると、それどころじゃなくなるかもしれないですが、ありがたいことにダブルキャストでもあるので、ちゃんとうまく息抜きしながらやっていきたいですね。
——具体的にはどんな息抜きの方法を考えていますか?
ちょっとだけオシャレなカフェに行って自分を甘やすのも息抜きですし、ちょっと自然に触れるのもメンタルにいいと思いますし……。お日様がでているときは、ちゃんと太陽を浴びて、自然のあるところに行ったりしたいと思います! 美容に関しては、シシィ自体が美貌を保っているわけですから……(笑)
——愛用しているスキンケアなど、ありますか?
ちゃんと定期的に肌をキレイにしてもらうために、エステとかしっかり行かなくてはと思ってはいます(笑) 家で美顔器を使うとか、そういうのをあまりするほうじゃないのですが、最近は韓国旅行で買ってきた丸いシートパックを使っています!
——気になるところに貼れる部分用のものですね。
はい。私、全顔を覆うマスクってハードルが高く感じちゃうんです。ドリンクも飲めないし(笑) そこで、お風呂を出てから化粧水をつけて、その丸いパックをパパッて貼っておくんです。たまに移動させたりして。そうすると、顔を動かせないこともないから、気持ちがラクで。ちょっと乾燥しているなって感じるときもパパっと貼ったりしてます。
——お気に入りのブランドはありますか。
韓国の空港で最後にパッと買ったので、ブランドが分からないんです。「今、これ人気ですよ」と言われて、言われるがまま購入したのですが、香りもすごく好きだから、また買いたいと思っているんですけど(笑) 楽屋でもお化粧の前にサッと貼って、リンパを流すマッサージとかをやっています!
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——望海さんはストレートプレイや映像の作品にも挑戦されていますが、キャリアを広げていくことに対して、ご自身はどんなふうに感じていらっしゃいますか。
私はそれこそストレートプレイを観ずに育ってきたんです。ミュージカルをやっているとどうしても歌のところやナンバーがメインになってきて、芝居を歌に合わせるというか、ここに歌がくるから芝居はこう持っていかなくちゃ、という考え方をするんです。それが自分の中で少し引っ掛かってきた感覚があります。宝塚とは違って、皆でお稽古中に考えるという時間があまり取れないので、自分で役と向き合っていかないといけないわけです。
——ミュージカルはミュージカルの難しさがあると思いますが、ストレートプレイの難しさも、確かにあると思います。
もう少し自分のお芝居というものを深めていきたいと思って挑戦したのが、まさかの『マスタークラス』というとんでもない作品だったのですが、実際にやってみて、自分のどういうところが課題だったのか、そういうのもやっぱりやってみないと分からない部分があったので、そういった意味でも経験できて、本当に良かったです。森新太郎さんとマリア・カラスに挟まれるって、なかなかない経験なので(笑)。
——そういった経験は糧になりますね!
はい。そういった意味で、その経験を経て『エリザベート』に挑戦できるのはすごく良かったと思います。映像に関しても、私はすごく怖くて不安もたくさんありましたが、それこそ、やってみないと分からないこともたくさんあって。舞台とは違う瞬発力の積み重ねで作品を作っていかなくてはならないし、でも、それを繋げるのは監督のお仕事で……。そういった違いを知れた期間でもありますし、今までとはまったく違う世界観のところにいるなぁとは思っています。
——映像が長く続くと、やはり舞台が恋しくなりますか?
なりますね。やっぱり早く舞台に立ちたい!みたいな気持ちは強くなります。私は皆で長期間稽古して、それを舞台に持っていくという作業をずっとやってきて、それが私の“基礎”なんだと改めて思ったんです。映像、舞台のどちらにも良さはあると思いますし、まだまだ映像に関して、私は本当に初心者ですから。
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——最後に『エリザベート』という作品、そして望海さんのシシィを楽しみにしている読者にメッセージをいただけますか?
『エリザベート』というすごく大好きな作品に関われることも幸せですし、ミュージカルも私にとっては『next to normal』以来で、1年くらい空いちゃったので、「ミュージカルができる」ということがすごく楽しみなんです。不安やプレッシャーもたくさんありますが、『エリザベート』に出られるという喜びを大切にしながらお稽古を続けていきたいです。皆さん、もう歌えるくらいの方も多い作品だと思うのですが、それでもワクワクすると思ってもらえるように。
——一番の見どころは……?
やっぱり最初の登場にかかっていると思います(笑) と、自分で言って、すごいプレッシャーですが……。『マスタークラス』のセリフにもありましたマリア・カラスの「頑張るじゃなくて、やる」という言葉を自分に送って、頑張る……じゃなくて、やっていきたい、努力していきたいと思います。楽しみにしていてください!
火傷してしまいそうなほどの情熱で『エリザベート』について語りつつも、最後までいつものお茶目さを発揮して下さり、笑いの絶えないインタビューとなりました! 望海さんが「初めてこんなポーズで撮影しました(笑)」と爆笑して下さったキュートな表情の写真は必見。未公開フォトもしっかりチェックを!
望海風斗さんの未公開カット!
望海風斗(Futo Nozomi)1983年10月19日生まれ、神奈川県横浜市出身。2003年に宝塚歌劇団入団、同年花組に配属。2017年から雪組トップスターに就任し、三拍子揃った実力の中でも、特に歌唱力に秀でた男役として活躍。『ファントム』『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』『fff-フォルティッシッシモ-』などの代表作で主演を演じる。2021年4月11日、宝塚歌劇団を退団。同年に行われたコンサートツアー『SPERO』では全国で5万人を動員するなど、その人気はとどまるところを知らない。退団後は破竹の勢いでミュージカル界を席巻する俳優のひとりとして活躍中。今年は初のアルバム『笑顔の場所』をリリースするなど、音楽活動にも意欲的だ。代表作は『next to normal』『ガイズ&ドールズ』『イザボー』『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』など。最近は映像ではテレビ朝日『誘拐の日』・NHK 大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』やストレートプレイ『マスタークラス』に出演するなど、活躍の場を広げている。
\Information/ミュージカル『エリザベート』
望海風斗/明日海りお (ダブルキャスト)古川雄大/井上芳雄/山崎育三郎 (トリプルキャスト)田代万里生/佐藤隆紀 (ダブルキャスト)伊藤あさひ/中桐聖弥 (ダブルキャスト)未来優希涼風真世/香寿たつき (ダブルキャスト)
尾上松也/黒羽麻璃央 (ダブルキャスト) 他
東京公演:2025年10月10日(金)〜11月29日(土) 東急シアターオーブ北海道公演:2025年12月9日(火)~18日(木) 札幌文化芸術劇場 hitaru大阪公演:2025年12月29日(月)~2026年1月10日(土) 梅田芸術劇場メインホール
福岡公演:2026年1月19日(月)~31日(土) 博多座
ピアス¥3850、リング¥3300 (共にヘンカ/ロード・03-6416-1995) その他/スタイリスト私物
撮影/楠本隆貴 ヘアメイク/yuto スタイリング/嶋岡隆、北村梓(Office Shimarl) 取材・文/前田美保
Edited by 三好 さやか