シェブロン、ヘス買収を完了-油田権益巡る仲裁でエクソンに勝利

Kevin Crowley、David Wethe

米石油大手シェブロンは18日、南米ガイアナ沖の油田権益を巡ってエクソンモービルと争った仲裁で有利な判断を勝ち取り、約20カ月前に発表したヘスの530億ドル(約7兆8650億円)規模の買収を完了した。

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  この判断はシェブロンにとって大きな勝利となった。同社が2023年10月にヘス買収合意を発表した後、エクソンモービルがガイアナ油田の権益を巡って異議を唱えたことから、買収手続きは停滞。株価は低迷し、買収時のデューデリジェンス(適性評価)の妥当性を疑問視する声も上がっていた。今回の仲裁判断により、こうした戦略の足踏み状態にようやく終止符が打たれた。

  シェブロンのマイク・ワース最高経営責任者(CEO)は、仲裁で敗れれば取引から撤退する考えを示していた。ワース氏は「これにより、世界を代表する国際的な石油・ガス企業が誕生する」とブルームバーグテレビジョンのインタビューで語った。

  ガイアナ沖スターブロック鉱区のオペレーターであり、同鉱区の45%を保有するエクソンモービルは、ヘスが持つ30%の権益について、優先的に買い取る権利があると主張していた。 

  これに対し、ヘスとシェブロンは、今回の取引は資産売却ではなく企業合併として構成されているため、先買権は適用されないと反論していた。

  仲裁判断を受けて、エクソンは、株主に対する責任を果たすため、今回の主張を貫いてきたと説明。声明で「ガイアナの鉱区開発を通じて当社が創出してきた多大な価値を踏まえれば、その価値を守るために先買権を検討することは、投資家に対して果たすべき明確な責務だと考えていた」とした。

原題:Chevron Prevails in Exxon Fight and Closes Deal to Buy Hess (3)

(抜粋)

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