コラム:トランプ大統領のベネズエラ攻撃で米国企業が勝利、中国の競合は敗北
[ロンドン 4日 ロイター] - 米軍がベネズエラのマドゥロ大統領を追放したことを受け、同国産原油の主要な輸出先は中国から米国に切り替わるだろう。米国の石油精製業者にとって当面は追い風となる。だが、トランプ米大統領が期待しているベネズエラでの原油生産計画の実現にはかなり時間がかかりそうだ。
ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇る。トランプ氏は3日、自身のSNSでマドゥロ大統領を拘束したと発表する一方、全てのベネズエラ産石油を対象とした米国の禁輸措置は「100%継続される」と示唆した。
トランプ氏はベネズエラが石油収入を麻薬取引やテロ資金に悪用していると主張。同国への軍事・経済的圧力を強化してきたため、原油価格はここ数週間、小幅に上昇していた。だが、2026年は世界的に供給が需要を大きく上回るとみられ、ベネズエラ産の輸出が多少停滞しても、市場への影響は限定的となる可能性が高い。
米エネルギー情報局(EIA)によると、ベネズエラ産原油の対米輸出量は1997年にピークを迎え、全生産量に占める米国向けの割合は44%に達していた。だがその後、メキシコやカナダでの原油生産ラッシュや、米国のシェールオイルブームに押され、対米輸出は徐々に減少した。
Venezuela's crude oil exports米軍によるベネズエラ攻撃で政権交代が円滑に進めば、同国産原油の主要な買い手として米国が復権する可能性が高い。ロイターの推計によると、ベネズエラ産原油輸出量の半分以上を占める中国向けが米国に振り向けられると、米国のベネズエラからの年間輸入量は2倍以上に増える。
US imports of Venezuelan crude oilラピダン・エナジー社の予測によれば、ベネズエラの原油生産量は、マドゥロ大統領退陣後の最初の1年間で日量最大20万バレル増える可能性があり、10年以内に日量200万バレルまで倍増する可能性がある。
だが、ベネズエラで新たな石油・ガスプロジェクトの開発が実現するまでには、政治や外交、軍事、財政面などで依然として高いハードルがあり、年単位の時間がかかるとみられる。同国はエクソンやシェブロンとかつて進めていた合弁事業で数十億ドル規模の未払い金を抱えているとされ、まずは債務の清算が必要となる。
(筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
Ron is the Reuters Energy Columnist. He offers commentary on global energy markets and their intersection with geopolitics, the economy and every day life. From oil and gas to solar and wind power, the world's growing demand for energy is shaping governments' efforts to expand their economies while the world also seeks to decarbonize. Prior to that, Ron was Oil and Gas Corporates Correspondent at Reuters since 2014, covering the world’s top oil and gas companies and their transition into low carbon energy. He has broken major stories on companies including Shell, BP, Chevron and Exxon. He also looks at the physical oil markets with a focus on European refining.