【特集】リメイク版『ドラゴンクエストIII』はなぜヒットした?HD-2Dで蘇るJRPGの金字塔、完成度には賛否両論
日々たくさんのゲームがリリースされる現代。その分話題になる作品も多いわけですが、「どうしてこのゲームは人気なんだろう?」と思ったことはありませんか?
この連載では、ゲーマーから注目を浴びているゲームがなぜ人気になっているのかを分析します。記事を読んで、流行っているゲームに詳しくなっちゃいましょう。今回は、スクウェア・エニックスが発売するHD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』をお届けします。
まさに“伝説”なJRPGの金字塔がリメイク
本作は、1988年にファミリーコンピュータで発売された同名のゲームを原作とするJRPGリメイク作品です。プレイヤーは小国アリアハンの戦士・オルテガの子となり、闇の魔王・バラモスの撃破を目指して世界を冒険します。
本作の特徴は、パーティメイキングがあること。戦士・僧侶・魔法使い・武闘家・遊び人などさまざまな特性を持つ職業の仲間を酒場で集めて4人で冒険します。主人公もゲーム序盤の性格診断で性格が決まり、レベルアップ時のステータスの上がり方が変わります。
リメイクにあたっては、『オクトパストラベラー』『トライアングルストラテジー』やリメイク版『ライブアライブ』などで使われたHD-2D技術を採用。ドット絵を残しつつも、3D背景や美しいエフェクトで魅せる画面となっています。マップも広くなっていて、ファミコンで遊んでいた方はあのころ思い描いていた世界が再現されているような感覚になるのではないでしょうか。また、キャラにボイスが付いたことでよりセリフが際立つようにもなっています。
追加要素として、新たな職業としてモンスターを仲間にできる「まもの使い」が登場。ほかにも、仲間にしたモンスターで勝ち抜き戦に挑む「モンスター・バトルロード」といった新要素があったり、父オルテガの人となりが知れる新エピソードが追加されていたりと、やりこみ度やボリュームが増加しています。
なぜヒットした?
本作の公式な売り上げ本数は明かされていませんが、11月28日時点のファミ通発表のPS5/ニンテンドースイッチパッケージ版の累計販売本数は91万3,132本。DL版やPC/Xbox版を含めればさらに多くの本数を売り上げていると思われます。SNS上でもさまざまな話題で賑わいました。
『ドラクエIII』はシリーズの中でも特に人気の高い作品のひとつで、パーティメイキングや前2作と比べて高められた自由度などによりRPG的な要素が強化。これまでも大勢のプレイヤーが記憶に残る冒険を体験したことでしょう。そんな人気の作品が大々的に「HD-2D」でリメイクされるということで、オリジナル版や過去の移植作などに思い入れのあるゲーマーを中心にプレイされているようです。
一方、ゲームプレイに対するユーザーからの評判は賛否両論といったところ。「ザコ敵の2回行動」や「まもの使いの強さ」など戦闘バランスについて、またラーミアの移動速度など一部パート・演出のつたなさ、『オクトパストラベラー』等の他のHD-2Dタイトルと比べてグラフィックス品質が劣るなどといった問題点を指摘する声も多数見られます。
今後も人気は続く?
とはいえ、これまで何度もリメイクを重ねてきた『ドラクエIII』の中でも、このHD-2D版は「とりあえずこれ」と選べるリッチな作品です。XboxやPCで初めて『ドラクエIII』が発売されたという点も重要なポイントです。
また、2025年にはリメイク版『ドラゴンクエストI&II』も発売予定。まだ発売年以外の情報はありませんが、人気の「ロト3部作」が現代的なリメイクでまとめて遊べるようになることで、『ドラゴンクエスト』への関心や注目度が高まっていきそうです。
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』は、PC(Steam/Microsoft Store)/PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ向けに配信中です。