CES 2025に登場したクールで奇抜なロボットたちを紹介しよう

今年のCESで披露されたロボットの中から実用性が期待されるものや、目を引くデザインのものを紹介しよう。

「関係性重視のAI」を搭載した17万5000ドルのコンパニオンロボット

映画「ブレードランナー」のような世界観で、リアリズムを追求したロボットを探しているなら、リアルボティックス(Realbotix)の人間そっくりなロボット以上のものはないだろう。

同社は、人間のように見えるロボットを3種類提供しており、価格はバストモデルが1万ドル(約160万円)から、モジュール型ロボットが15万ドル(約2370万円)から、そしてフルボディバージョンが17万5000ドル(約2770万円)からとなっている。

「どんな人間の顔も再現することができ、14以上の可動部を活用してリアルな表情も作り出せる」と同社は誇らしげに述べ、ロボットのボディもカスタマイズ可能だと説明した。

コメディアンのホイットニー・カミングス(Whitney Cummings)は、リアルボティックスが製造した自分にそっくりなロボットとステージに立ったことがある。

このようなロボットをAIのガールフレンドやボーイフレンドにしたいと考える人もいるかもしれない。リアルボティックスはまさにその発想を取り入れ、「関係性重視のAI」であることをアピールしている。

CESのデモでは、ヒューマノイドロボットの「Aria」が、「我々は特に親しい交際や親密な関係を目的として設計されている」と述べていた

これらのロボットはAI搭載により会話が可能で、目にはカメラが内蔵されているため、話し相手を認識することができる。

子ども向けAIロボット

TCLの「Ai me」は、子どもと大人の両方にアピールできる魅力を備えている。

Xinhua News Agency/Xinhua News Agency via Getty Images

今年のCESに登場したロボットの中で、特に可愛らしかったのが、中国のテレビ製造業者、TCLの「Ai me」(「Amy」のように発音する)だ。このロボットは子ども向けにデザインされている。大きな瞳で瞬き、子どもらしい声を出し、パタパタと動く翼や着せ替えできる衣装が特徴となっている。車輪のついたゆりかごのようなものに座っているが、そこから取り出すこともできる。

Ai meは大人にとっても魅力的な機能を備えており、スマートホーム機器や車と連携したり、AI画像認識機能搭載でものを認識したりすることができる。

TCLはこれを「世界初のモジュール型AIコンパニオンロボット」だと説明している。ただし、現時点ではあくまでコンセプトであり、市場に登場するかどうかはまだ分からない。

「腕」のあるロボット掃除機

ロボロックの「Saros Z70」には、通り道をふさぐ物を動かしたり、靴下のような小さな物を拾ったりするための折り畳み式の「腕」がある。

Roborock

実用的なものでは、ロボット掃除機も進化している。 ロボロック(Roborock)の「Saros Z70」は、AIを活用して周囲の環境を分析し、折り畳み式の「腕」を伸ばして障害物を取り除いたり、靴下や小さなタオルなどの軽い物を拾ったりすることができる。

今年上半期には市場に登場する予定だ。

「足」のあるロボット掃除機

ドリーミーの最新ロボット掃除機は、「足」があるおかげで小さな段差を登ることができる。

Dreame

ドリーミー(Dreame)のロボット掃除機「X50 Ultra」には「足」がある。

今年のCESではデモを披露し、最初はいくつかの不具合があったものの、小さな段差を登ることに成功した(とはいえ、まだ家の階段を登るところまではいっていない)。

現在、予約注文を受け付けており、2月14日に1699.99ドル(約27万円)で発売予定となっている。

サムスンの「Ballie」が再び登場

ボール型ロボットの「Ballie」。

Samsung

サムスンは(Samsung)、家庭向けのAIコンパニオンロボットとして「Ballie」を開発した。車輪で移動するボール型ロボットで、2020年のCESで初めて披露され、今回、再び登場した。消費者向けの販売が、今年中に始まる予定だという。

BallieはAI機能を搭載しており、電話に出たり、壁に映画を投影したり、家族が留守の間にペットがどう過ごしているか動画を送ったりすることができる。

ふわふわとしたぬいぐるみロボット

「みるみ」は、バッグチャームのロボット版といったところだ。

Yukai Engineering

ユカイ工学が開発したこのふわふわしたロボットアクセサリーは、あなたの腕やバッグに抱き着いて、周囲と交流することができる。例えば、誰かが視界に入ると、恥ずかしそうに顔を隠すといった動きをする。

「みるみ」の販売に向けたクラウドファンディングは、今秋に開始される予定だ。

テスラなどの主要テック企業もロボットを開発中

CESで紹介されたロボットの他に、主要なテック企業でもロボットの開発を進めている。

アップル(Apple)は家庭用ロボットの開発に取り組んでいると噂されている。アマゾン(Amazon)は1600ドル(約25万円)のロボット「Astro」を、現時点でも招待制で限定販売している。さらにテスラ(Tesla)のイーロン・マスク(Elon Musk)CEOは、今後数年内にヒューマノイドロボット「Optimus」を消費者向けに発売することを目指している。

だが、家庭用ロボットに数百ドル、場合によっては数千ドルを費やすことに消費者がどれほど関心を持つかは別の問題だ。

エヌビディア(Nvidia)は、CESで自社のロボットを披露することはなかったが、ジェンスン・ファン(Jensen Huang)CEOは基調講演で、ヒューマノイドロボットやその他のAI利用に対応する新しいAIスーパーチップ「GB10」の発表を行った。

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