トランプ大統領、米経済は「過渡期」にある-景気減速懸念かわす

Maria Paula Mijares Torres

  • 「われわれは米国に富を取り戻している」と自らの手法弁護
  • 減税と関税収入が景気を浮揚させるとトランプ政権は主張

トランプ米大統領は、関税と連邦職員削減に重点を置く政策が市場の混乱を招く中、米経済は「過渡期にある」と述べ、景気減速リスクを巡る懸念をかわした。

  トランプ氏は9日放送のFOXニュースの番組「サンデー・モーニング・フューチャーズ」で、米経済の年内のリセッション(景気後退)入りを予想しているかとの質問に、「私はそのようなことを予測するのは嫌いだ。われわれは非常に大きなことを行っているので過渡期がある」とコメントした。

  この発言は先週の上下両院合同会議での施政方針演説や、ベッセント財務長官を含む政府高官の最近のコメントとおおむね一致している。 減税と関税収入が景気を浮揚させるとの見通しがトランプ氏のチームの主張の核になっている。

関連記事:トランプ政権のメッセージ、痛みなくして米経済の復活なし

  トランプ氏の一貫性を欠いた関税政策は投資家の動揺を招き、テクノロジー株の売りを誘発。ボラティリティーは数年ぶりの高水準に拡大した。 ベッセント氏は7日、CNBCとのインタビューで、米経済は政府支出への依存を断ち切るための「デトックス」が必要だと発言。債券トレーダーは米経済が失速するリスク拡大のシグナルを発している。

  トランプ氏は4日夜の演説で、自身の包括的な関税政策の実施に伴い「調整期間」が生じる可能性があると認め、「多少の混乱はあるだろうが、われわれはそれでOKだ。大したことではない」と語った

  先週のS&P500種株価指数は週の最後に持ち直したが、週間ベースでは昨年9月以来の大幅安となった。

  しかしトランプ氏は9日放送の同番組で自らの手法を弁護。「われわれは米国に富を取り戻している。これは大きなことだ」と話した。

原題:Trump Says US Economy Faces ‘Transition,’ Avoids Recession Call(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE

関連記事: