「三顧の礼」で迎え比例単独1位の超VIP待遇 なぜ参政党・神谷代表は豊田真由子氏を「三国志の諸葛亮孔明」みたいに厚遇するのか
選挙戦4日目の1月30日午前11時前。群馬県藤岡市の「コープぐんま藤岡店」に、参政党の選挙カーが横付けされた。車からスタッフたちが飛び降り、慌ただしくオレンジ色の幟を立て始める。 「お騒がせしてすみませんー! まもなく参政党の街頭演説会を開始しまーす」 寒風吹き荒む中、群馬4区から立候補している青木ひとみ氏が選挙カーに上がり、集まった聴衆に声をかけている。 定刻11時に街頭演説会はスタートしたが、SNSの事前告知で「応援弁士」として紹介されていた豊田氏の姿は、まだ見えない。5分ほどすると、ようやく男性スタッフに囲まれながら走って姿を現した。 「豊田さんだぁ!」 途端に、集まっていた約20人の参政党支持者が色めき立つ。豊田氏は満面の笑みで手を振って応え、青木氏の演説が終わってから選挙カーに上がりマイクを握った。 「みなさん、こんにちはー。豊田真由子です! 青木ひとみさんは大好きな、大事な方です。神谷代表からも“よろしく伝えてね”と言われて来ました」 聴衆は拍手で「群馬へようこそー!」。演説を終えて豊田氏が選挙カーを降りると、我先にと握手や写真撮影を求める人たちが列を作った。
はたから見ていて感じたのは、豊田氏の「特別待遇」である。遅刻だけではない。選挙カーに立つ他の2人が参政党カラーのオレンジ色のジャンパーを羽織っているのに、一人だけ白のジャケットという装いも「格の違い」を感じさせた。自分も北関東比例ブロックから比例単独で出馬している候補者なのに、襷もかけていない。 「もう自分はバッジをつけたつもりなのでしょう」 こう語るのは永田町関係者だ。 「参政党の比例単独候補の中で、豊田氏だけが名簿1位に記載されています。今の参政党の勢いから見れば、北関東ブロックで1議席以上を獲得する可能性は高く、すでに“当確”が出ているようなもの。一方、小選挙区には182人が立候補していますが、勝てそうな候補者は一人もいない。みんな比例復活当選を目指して、死に物狂いで戦っています」 そしてこう続ける。 「参政党代表の神谷宗幣氏にとって、豊田氏は諸葛亮孔明のような特別な存在なのでしょう」 諸葛亮孔明とは、中国の三国時代を描いた歴史物語『三国志』で、主君・劉備玄徳のために蜀を魏・呉と並ぶ大国へと押し上げた天才軍師である。
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豊田氏は、昨夏の参院選前にも神谷氏から出馬要請を受けているが、この時はいったん断っている。当時、テレビタレントとしての所属先だった「サニーサイドアップ」社長の次原悦子氏が、参政党入りに猛反対したからだった。(関連記事【7月の参院選で参政党は豊田真由子氏に「出馬要請していた」 所属事務所の“名物女性社長”を直撃「彼女はギリギリまで出るか悩んでいました」】参照) 三国志の主人公・劉備玄徳が孔明が住んでいた草庵を3度訪ねた、いわゆる「三顧の礼」のように、神谷氏は再度の説得で豊田氏を迎え入れているのである。 ちなみに、神谷氏からの参院選出馬の誘いを断った直後の豊田氏はかなり後悔した様子だったとのことで、 「『あの時、出馬していたら国会議員になれたのに』とぼやいていたと聞いています。約7年間にわたり豊田氏の面倒を見てきた次原氏は『何の挨拶もないままいなくなった。人の気持ちがわからない人は同じ過ちを繰り返す。二度と顔を見たくない』と今も激怒しています」(サニーサイドアップ関係者)
入党するなりボードメンバー(常任委員)兼政調会長補佐という要職に就いたことも、劉備軍に加わるや否や「軍師」として重用された孔明を彷彿とさせる。さらに12月には、政党会長代行にスピード出世した。 「昨年11月末に『週刊新潮』が、豊田氏と梅村みずほ氏とのトラブルを報じた時の裁きも、神谷氏の豊田氏への並々ならぬ“寵愛”を感じさせるものでした」(前出・永田町関係者) 国会議事堂内の個室を要望した豊田氏に対し、当時参院国会対策委員長だった梅村みずほ参院議員が「難しい」と断ったところ、豊田氏が激昂したとされる騒動である。梅村氏は週刊新潮の取材に、トラブルがあったこと自体は認めたが、 「神谷氏は、梅村氏が党の了承を得ずに取材に応じた点を問題視し、すぐに参院国対委員長を解任した。豊田氏の肩を持った裁定に見えました」(同) そして今回の解散総選挙での破格の扱い。神谷氏はいったい、豊田氏のどこに“惚れ込んだ”のか。 「参政党は神谷氏のカリスマ性に惹かれ、現状の日本に不満を抱く人々が集まって勢力を伸ばしてきましたが、いかんせん政治の素人が多い。三国志で言えば、張飛や関羽のような猛将は揃っても、孔明のような“頭脳”が欠けていたのです」 豊田氏は東京大学法学部を卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院を修了。厚労省のキャリア官僚を経て国会議員となり、安倍政権下では内閣府大臣政務官、文部科学大臣政務官、復興大臣政務官を経験した。 「超VIP待遇を用意してでも、是が非でも欲しい人材だったのでしょう。神谷氏は今、まさに“水を得た魚”の心境なのかもしれません」(同) とはいえ、「このハゲー!」をしでかし、恩人を怒らせた過去を持つ人物だ。どこまでの「忠誠心」で“主君”を支え続けられるかーー。
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