クシュタール、経営陣は既存事業に集中と強調-セブン買収交渉は膠着
- ミラーCEO、セブン&アイとは秘密保持契約は結んでいないと言明
- クシュタール株は年初来13%安、投資家は買収協議と消費減速を懸念
カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールは、セブン&アイホールディングス買収に関する協議が膠着(こうちゃく)する中、経営陣は既存事業に集中していると訴えて株主を安心させようとしている。
クシュタールはセブンに買収提案を行っているが、セブン側は協議の前提として米国で独占禁止法に抵触する懸念を払拭するよう要求している。クシュタールの株価は今年に入って13%下落。投資家は大型買収の行方と個人消費減速の兆候の両方を意識している。
アレックス・ミラー社長兼最高経営責任者(CEO)は19日のアナリストとの電話会議で、「セブン&アイに関する取り組みについては、メディアで大きく取り上げられているが、社内では非常に小さなチームが関わっているという点を強調したい。ビジネスの大部分はわれわれのグローバルな事業運営に鋭意集中している」と語った。
セブン&アイとの間では「米国での売却がどういったものになるのかを示すマーケティングパッケージ」について協議していると説明。「マーケティングプログラムは始まっており、その過程において買い手候補が秘密保持契約(NDA)を結んでいる」と語った。
その上で、セブン&アイとはNDAは締結していないとした。
これより先、ブルームバーグ・ニュースはセブンの広報担当者の話として、クシュタールを含む複数の企業とセブンがNDAを結んだことがわかったと報じていた。
クシュタールの第3四半期(2月2日終了)決算では、最重要市場である米国で既存店の商品売上高が0.1%減少。カナダでは2.8%増、欧州およびその他の地域は0.2%増となった。
ミラー氏は「消費者が圧力を受けている状況を引き続き目の当たりにしている。とりわけ米国で顕著だが、実際には当社が事業を展開する地域全体でも同じだ」と発言。「当社を取り巻く環境には多くの不確実性がある。それ故にわれわれは自分たちがコントロールできることに注力するとともに、市場シェアの拡大を目指し、コストと資本については厳しい姿勢を貫くつもりだ」と語った。
原題:Couche-Tard Seeks to Reassure Investors on Seven & I Approach(抜粋)