アルファベット含む15社、高格付け社債発行へ-関税の混乱から回復

Josyana Joshua、Hannah Benjamin-Cook

  • 1日あたりの発行件数としては3月24日(16社)以来の高水準
  • 米高格付け社債の平均利回り、月初の上乗せ関税発表後に急上昇

米社債市場で、グーグル親会社アルファベットを含む15社が高格付け債の発行を計画していることが、関係者の話で分かった。1日あたりの発行件数としては3月以来の高水準となる見通しで、月初に発表された上乗せ関税による混乱から、債券市場が一定の安定を取り戻しつつある兆候だと受け止められている。

  事情に詳しい関係者によると、アルファベットは約40億ドル(約5700億円)の社債を28日に発行する予定。同社による社債発行は100億ドルを調達した2020年以来初めて。また29日にも欧州市場で初の社債発行を計画しているという。  

  アルファベットのほか、日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や住宅建設大手DRホートンなども起債準備を進めている。ブルームバーグの集計によれば、28日に予定される15件の発行件数は、3月24日(16社)以来の高水準となる。

  トランプ大統領による上乗せ関税の発表を受けて、高格付け社債の平均利回りは急上昇。今月3日の5.06%から11日には5.55%に達した。しかしその後、米国側が交渉に前向きな姿勢を示したことなどで利回りは低下し、25日時点で5.21%まで下がった。リスクプレミアムも安定傾向にある。

  今週の高格付け社債市場では、発行額が約350億ドルに達する見込みで、前週の約250億ドル、上乗せ関税が発表された週の約60億ドルから大きく回復する見通し。

  アルファベットは最大4本立ての起債を検討しており、年限最長の40年債のプライシングについては、米国債利回りに対して1-1.05ポイントの上乗せが見込まれていると、関係者が匿名を条件に明らかにした。

  ブルームバーグのデータによれば、アルファベットは3月末時点で950億ドル超の現金・有価証券を保有している。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のロバート・シフマン、アレックス・リード両氏によると、社債発行により資本コストを抑えることができるとみられ、将来的な自社株買いや人工知能(AI)分野への投資拡大を示唆している可能性もある。

原題:Google Parent Alphabet Leads High-Grade Issuance Rush (2)(抜粋)

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