中国が英政府を非難、ロンドンの大使館新設認可先送りで-対立激化も

Bloomberg News

  • 中国、建設が認められない場合は「結果」を伴うと警告
  • スターマー首相、英国の国家安全保障に対する脅威を認識

ロンドンでの中国大使館新設計画の是非について英政府が判断を再び先送りしたことに対し、中国が激しく反発している。来月に予定されるスターマー英首相の訪中を控え、英中の対立が激しくなる可能性もある。

  在英中国大使館の報道官は2日の声明で、英国側が中国大使館新設の計画申請に関する決定を繰り返し延期したことに対し「強い遺憾の意を表する」とコメント。

  さらに、英国は「双方の相互信頼と協力をこれ以上損なうことを避けるため、速やかに計画の申請を承認すべきだ」と主張した。

  英国は、ロンドン金融街(シティー)に近い旧造幣局の跡地に欧州最大規模となる中国大使館を建設する計画を巡り、判断を来年1月20日まで延期した。

  本来は今年10月に決定される予定だったが、中国によるスパイ活動疑惑を巡るスキャンダルの中で今月にずれ込んでいた。ウェルズ首相報道官は、判断時期の変更は「日常的なもの」だと述べた。

  今回の再延期で、中国大使館の計画申請を巡る激しい論争が改めて浮き彫りになっている。

  保守党や自由民主党を含む野党は、スターマー首相率いる労働党政権に対し、大使館新設を拒否するよう求めている。建設予定地が、重要な光ファイバーケーブルの上に位置していることを懸念している。

  中国はこれに先立ち、建設が認められない場合は「結果」を伴うことになると警告。スターマー首相は1日のスピーチで、中国とのビジネス関係を重視するとしつつ、英国の国家安全保障に対する脅威を認識していると明らかにした。

原題:China ‘Strongly Deplores’ Second UK Delay on Embassy Decision (抜粋)

— 取材協力 Colum Murphy

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