「驚くべき」鉄器時代の戦場用のラッパ、完全に近い形で出土 英
英国で、鉄器時代にさかのぼる、ほぼ完全な「戦闘用トランペット」が見つかった/Norfolk Museums Service/Historic England
ロンドン(CNN) 約2000年前の鉄器時代にさかのぼる、ほぼ完全な戦場用のラッパが英イングランドで出土した。
発見した考古学者によると、「カルニクス」と呼ばれるラッパは英東部ノーフォーク州で見つかった鉄器時代の遺物群の一部で、「国際的に重要」な発見だという。私有地で定期調査が行われた際に見つかった。
調査を行ったのは、プレ・コンストラクト・アーケオロジー(PCA)の専門家チーム。2025年夏、建設計画に伴う標準的な事前調査の一環として、ノーフォーク州西部での発掘中に埋蔵物を発見した。
現場の正確な場所は公表されていないが、別のカルニクスの一部も見つかった。カルニクスは、欧州各地のケルト民族が戦場で兵士を鼓舞するために使った、動物の頭部をかたどった青銅製の楽器だ。今回の出土品は、欧州で見つかった中でも最も完全に近いものの一つだと、歴史環境保全機関ヒストリック・イングランドは声明で述べた。
ほかにも、軍旗に用いられていたとみられる板状の青銅製のイノシシの頭部や起源の分からない鉄製の遺物などが見つかった。
「発掘作業が始まる前、私たちのプロジェクトマネジャーはこの遺跡が特別なものになるだろうという『予感』を抱いていた」とPCAのマーク・ヒンマン最高経営責任者(CEO)は声明で述べた。想像もしなかったものを見つけて、息をのみ、その後は最善の発掘手順に従って、これらの希少で壊れやすい遺物を回収したという。
チームは、土塊に包まれた状態で遺物を慎重に引き上げた。初期のスキャンで遺物の位置が確認され、ノーフォーク博物館局の保存修復の専門家が予備調査のために取り出した。
ヒストリック・イングランドによると、遺物は非常に脆弱(ぜいじゃく)な状態のため、詳細な研究の前に安定化させる必要があるという。
スコットランド国立博物館で鉄器時代とローマ時代を担当する学芸員フレイザー・ハンター氏は、カルニクス研究の第一人者だ。今回の遺物は約2000年前に埋められ、当時この地域を支配していたケルト系のイケニ族と関係があるとみている。イケニ族は、女王ブーディカの指揮のもと、60年または61年にローマ帝国への反乱を起こしたことで知られる。
ハンター氏は、今回の発見によって「鉄器時代の世界に対する理解が大きく進むだろう」と述べた。「欧州各地のカルニクスを調べてきたが、今回の極めて壊れやすい遺物の本格的な研究と保存は、鉄器時代の音と音楽に対する見方を塗り替えるだろう」
どんな音がしていたのか
音楽考古学者で、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校でトロンボーンを教えるジョン・ケニー教授は、CNNへの電子メールで「カルニクスは現代の金管楽器の遠い祖先だが、親しみと『異質性』の両方を感じさせるほど十分に異なっている」と述べた。
「最大音量で演奏すると非常に力強い音色を奏でるが、ささやくような静かな演奏もできる。フルートやハープ、弦楽四重奏、人間の声といった繊細な楽器と組み合わせることも可能だ」(ケニー氏)
ヒストリック・イングランドは、PCAやノーフォーク博物館局、スコットランド国立博物館と連携し、研究と保存作業を進めるとしている。
ノーフォーク博物館局は声明で、ノーフォークで見つかったカルニクスは、考古学者にとって類例のない調査機会となり、最終的には、これらがどのようにして2000年前に同地に埋蔵されたのかという物語を伝えるまたとない機会を提供してくれるだろうと述べた。