【学歴詐称疑惑】「除籍」判明と説明した伊東市長に夜の市民対話集会で厳しい声…正副議長と面談も“支離滅裂” 議会は辞職勧告決議案提出へ(静岡・伊東市)
学歴詐称との指摘を受けている静岡・伊東市の田久保真紀市長。大学は除籍と判明し弁明に追われていますが、2日夜開かれた市民との対話集会でも、伊東市民から辛らつな意見が相次ぎました。 ”東洋大学を卒業した”という経歴がうそなのではないかとの疑惑がもたれ、7月2日、会見を開いた静岡・伊東市の田久保真紀市長。 (伊東市 田久保 真紀 市長・55歳) 「卒業は確認ができませんでした。除籍であることがその場で判明いたしました」 大学は卒業ではなく除籍であったと明らかにしました。しかし… (田久保 市長) 「私が経歴を詐称しているというようなことは一切ない」 5月の市長選挙で現職を破って当選し、伊東市初の女性市長となった田久保市長。 しかし6月、19人の市議に匿名の”ある投書”が。 (投書の内容) 『東洋大学卒ってなんだ。彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している」 「東洋大学法学部卒業」の学歴はうそであるとの疑惑が浮上しました。 2日夜、市長が市民の声を直接聞き市政に生かそうと開かれたタウンミーティング。 (田久保 市長) 「いったん(報道陣は)退室をしていただいて、皆様のご意見をいただいて、終わりましてから私がマスコミ対応するという形で」 当初、冒頭のあいさつ以外は非公開で行われる予定でしたが…。 (伊東市民) 「全部出してもいいんじゃないですか」 (田久保 市長) 「よろしいですか?」 (伊東市民)「いいと思います。はい。みんな考えがある」 急きょ、ミーティングはすべて公開に。 (伊東市民) 「市民を馬鹿にするのもいい加減にしろ」 (伊東市民) 「自分たちの市長としてお任せできるんだろうか。信頼がすでに私の中ではなくなっている」 2日の会見で浮上した大きな2つの問題。 ・“『除籍』されたことを本当に知らなかったのか” ・議長らにみせた“卒業証書”は一体何だったのか、 2日夜、伊東市民を対象に開かれたタウンミーティングでは、厳しい意見が相次ぎました。 (伊東市民) 「市民をばかにするのもいい加減にしろっていうのは自分の感想です。記者会見の中で疑問だらけが出てきました。記者会見を見た後の自分としては、言葉を選んでいいことだけを言っているとしか聞こえません。つまり、信用できないということです」 さらに、中学生からの厳しい指摘も。 (伊東市民) 「議長に見せた卒業証明書はうそなのか本当なのかということと、会見の発言から後半はしっかりと大学の方へ通学できていなかった。だから勘違いされても仕方がないという発言があったそうなのですが、それは除籍されていたからではあったのではないでしょうか」 (田久保 市長) 「卒業証書ですね。恐らく。はい。ということで、それが本物なのか本物じゃないのかという話になってるということでした。一体いつまでを学校の学生として過ごしたかというのが、正直ちょっと今の時点で正直に申し上げますと、本当に記憶として分からないというのが事実でして、それに対して、今、証明書を取り寄せております」 “卒業証書”を直接見たいという意見もありました。 (伊東市民) 「今、市長が何か取り寄せてる書類があるっておっしゃってましたよね。それより先に、議長さんに提示した、何でしたっけ、卒業証明のようなものですよね。それがあれば解決するものなので、私たちもそれを見たいなって思います。それを見せていただければ何も問題はないのかな」 (田久保 市長) 「その証書では、私のもう卒業は証明することができない状況です。私としては、もう卒業を証明する書類としてはもう役に立たないものになっておりますけれども、それでもということであれば、私の方のちょっと考えが至りませんで、何かそういったものを何かお示しして何かを言うのって言い訳に聞こえるのかなと思いました」 東洋大学によりますと、学生が「除籍」に該当した場合、確認された時点で、学生の保証人に連絡。「除籍」が確定した場合は保証人宛てに「除籍通知書」を送付しているということです。また、『通常「除籍」された学生に卒業証書は授与されない』とコメントしています。 一方、田久保市長を擁護する意見も上がりました。 (伊東市民) 「私は田久保市長にこれからも頑張っていただきたいです。やはり経歴っていうのは過去のことなので、これからどういうふうに頑張っていくのかが1番大事だと思います。それに、私、市長に投票した時にあの学歴見てなかったです」 (伊東市民) 「今こういう、なんかね、皆さんが突っついてる事件あります。だけど、田久保さん今謝ってるじゃないですか」 (伊東市民) 「謝ってない」 (田久保 市長) 「謝ったかといいますと、きょうは謝っておりませんので、きっちりとまずは謝罪はしたいと思います。本当に皆様にご迷惑をおかけいたしました、ご心配をおかけいたしました。これはもう本当に私の不徳の致すところでございますので、ここはきちんと謝罪を、まずさせていただきたい、そのように思います。本当に申し訳ございませんでした」 市民の前で初めて謝罪した田久保市長。疑惑が残るのは…。 (伊東市議会 中島 弘道 議長) 「らしきもの。(卒業)証書らしきものでした」 タウンミーティング後、手元にある“卒業証書”について初めて明言しました。 (田久保 市長) Q.議長と副議長に。何を見せたんですか。 「はい。見せたのは卒業証書になります」 Q.卒業してないですよね。 「学校名が見えないというようなご指摘があったようなんですが。大学の卒業証書になります」 Q.なぜ持っていたのか。 「それにつきましては、持ってましたので」 Q.なぜ卒業証書を持っている? 「これから来る証明書の中に、恐らく私がいつからいつまでの期間在籍していたのかということも含まれてくると思います」 この“卒業証書”2日の会見に持ってくると約束していましたが…。 (田久保 市長) Q..きょう持ってきていたか? 「きょうは持ってきておりません」 Qなぜですか? 「私の判断の中で、既に除籍という事実が出てしまってますので、もうそれが真実であるということで、それを発表しようということになっておりました」 そして3日、議長と副議長のもとに訪れた田久保市長。約30分の話し合いでは何が語られたのか、話し合いの後、自ら、その内容は明かしませんでした。議長と副議長は…。 (伊東市議会 中島 弘道 議長) 「市長は、とにかく百条委員会をやめてほしいという、そういうことばかりでした。だから、私からは『もし、きょうにでもやめてくれるなら、それは、こちらでも考える余地はある』と言った」 (伊東市議会 青木 敬博 副議長) 「支離滅裂な話が30~40分続いていて、もう全然会話にならないので、途中で自分の方から平行線だからここでやめませんか…という感じで打ち切りました」 伊東市議会はこの“学歴詐称”について、百条委員会を設置して追及する考えを示していて、田久保市長はその設置をやめるよう求めてきたということです。しかし、田久保市長が急きょ反論。 (田久保 市長) 「百条委員会を開くか開かないかということについては、議会の大事な決断ですので、私の方からやめてくれというようなお願いをしたということではなくて、百条委員会を開くことは伊東のためになるのか、ならないんじゃないかというようなお話はお互いにさせていただきました」 進退については「真剣に考えている」とした上で…。 (田久保 市長) 「きょう、あす、すぐに辞任をして辞めてしまうということは市政に一層の混乱をもたらしますので、とにかく、今は一生懸命、その1票を投じてくれた方の期待に応えて、しっかり日々の業務をこなして、まずこの、ことしの夏をきちんと乗り切りたい、そのように思っております」 田久保市長は、今週末から週明けに届く予定だという大学からの書類を確認して、説明責任を果たすと話していますが現在、開会中の伊東市議会最終本会議で辞職勧告決議案が提出される見通しです。