FRBにできることはインフレ期待の安定のみ-ミネアポリス連銀総裁

Tony Czuczka

  • カシュカリ総裁、金融市場の秩序は保たれてるとの認識を示す
  • 米国債利回りは米通商・財政政策が左右、FRBの使命は物価抑制

米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は13日、金融市場の秩序は保たれているとの認識を示した上で、連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ期待の安定に引き続き注力する必要があると述べた。

  先週の米国債相場は、トランプ大統領の関税政策を巡る懸念から大きく売り込まれ、10年債利回りは記録的な大幅上昇となった。

  カシュカリ総裁はCBSの番組「フェイス・ザ・ネーション」に出演し、米国の通商および財政政策が利回り水準を決めると指摘。「FRBの使命は、金利がさらに上昇しないようインフレを抑制することだ」と述べた。

  足元では、複数のFRB高官から、関税による景気減速を見越した「保険的な」利下げの可能性を否定する発言が相次いでいる。

  「米国における新常態が何かを、米国および世界の投資家が見極めようとしている。その行き先に対するFRBの影響力はゼロだ」とカシュカリ氏は指摘。「われわれにできることは、インフレ期待を安定させ、その過程で起こる浮き沈みの一部を管理することだけだ」と続けた。

  市場は秩序立った動きを見せているのかとの質問に対しては、「秩序は保たれている」と回答。「この状況が最終的にどう落ち着くのか」を市場参加者が探る中で、ある程度のボラティリティーは想定内だと話した。

  「ただ、市場は正常に機能しており、取引も行われている。そのため今後もこの状態が続くとみている」と述べた。

原題:Kashkari Says All the Fed Can Do Is Keep Inflation Anchored(抜粋)

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