検察は「成功」 弁護側は「いらだち」 安倍元首相銃撃、傍聴席から [安倍晋三元首相銃撃事件 裁判]:朝日新聞

演説する安倍晋三元首相。背後に山上徹也被告の姿がみえる=目撃者提供(画像の一部を加工しています)

 安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告(45)の裁判は、検察側の立証がほぼ終わり、13日から弁護側の証人尋問が始まる。傍聴を続ける記者2人は、これまで6回の審理をどうみたのか。

2018年入社。東京で警視庁担当のときに事件が起き、取材にかかわった。現在は大阪で裁判担当。

2021年入社。事件の翌年に奈良総局員となった。大阪で勤務するいまも現場に足を運んでいる。

 遠藤 とりあえず検察の立証が成功したな、という感じだ。

 初公判では、生い立ちよりも悪質性や計画性に注目してほしいと訴えた。特に印象に残ったのが、奈良の山中で手製銃を試し撃ちする動画だ。

 パーンという銃声、ハアハアという息づかい、草を踏む音。映し出されたベニヤ板には複数の穴があった。

 仙道 法廷では受け身の印象がある被告だが、手製銃の話になると前のめりになって資料をめくり、弁護士ともやりとりしていた。

 遠藤 被告のパソコンから復元した「散弾銃の作り方」のワードファイル、それに沿った847点、約59万円分の購入履歴も示された。

 率直に「怖いな」と感じた。銃への執着を印象づける証拠を効果的に使っていた。

 仙道 うまく反撃ができない、いらだちのようなものを感じた。

 現場にいた佐藤啓・参院議員…

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2022年の安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告の裁判が始まりました。旧統一教会の影響をめぐる検察と弁護団の対立などから公判前整理手続きが長期化し、初公判まで3年余りを要しました。関連ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]

連載深流Ⅶ 「安倍氏銃撃」裁判(全40回)

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