【産経賞セントウルS われかく戦う】トウシンマカオで臨む横山武史騎手「能力疑う余地ない」
(産経賞セントウルステークス、2025年9月7日、GII、阪神11R、芝・右1200m)
まだまだ暑い日が続くが、今週から秋競馬がスタート。阪神競馬開幕週の日曜メインは、産経賞セントウルSだ。昨年の覇者トウシンマカオ(美・高柳瑞、牡6)が始動戦を迎える。今回で4戦目の手綱となる横山武史騎手(26)=美・鈴木伸=に、意気込みを聞いた。(聞き手・吉田桜至郎)
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――前走・京王杯スプリングCは日本レコードVで重賞5勝目
「馬場も良くて展開も向いたとはいえ、素晴らしいレコードでしたし、本当に言うことなかったです。改めてこの馬の強さを実感しました」
――レースを振り返って
「左回りにそこまで不安はなかったんですが、折り合いがどうなるかなというのはありました。昨年の京王杯スプリングCで乗っていた(菅原)明良から、『東京のレースがかなり難しかった』と聞いていたので、外枠だったことも含めていろいろかみ合ったと思います」
――道中は少し折り合いを欠く面もあった
「あれでも許容範囲内でした。思ったより折り合った印象で、変なエネルギーの消費もしていなかった。それが結果的に、最後のいい弾けっぷりにつながったと思います」
――1200メートル(5勝)と1400メートル(2勝)でどちらに適性がある
「どちらがとはいえないが、両方で重賞も勝たせてもらっていて、今なら距離の融通が利くのかなと思います。思っていた以上に(前走の)1400メートルが楽に折り合ったので、ペースにもよりますが、年齢を重ねて守備範囲も広がっているのかなと感じます」
――1週前の8月27日は美浦Wコースで6ハロン80秒6―11秒3をマーク
「追い切りは左回りだったので、相変わらず左右のバランスの差はあったんですけど、1週前として動きは言うことないですし、重苦しさも感じなかった。個人的には暑さがかなりしんどいので、当日の暑さ、あとは馬場が悪くなるとよくないので、その2点が懸念材料かなと思います」
――春からの成長を感じた部分は
「もともといい馬なのでここが一気に成長したという部分はないですが、引き続きいい馬という感じです。やっぱり生き物なので、気持ちや体が一度崩れてしまうとなかなか戻せなくなるし、人間でもスランプという言葉があるぐらいですから。この馬の能力を考えると良くも悪くも変わらないだけで十分で、レースも相手関係とかではなく、展開などの運かなと思います」
――意気込みを
「暑さが残る中で不安がないわけではないですけど、具合は悪くないと思います。能力は疑う余地がないと思っているので、あとはうまく馬の能力を引き出すことと、馬にとってのいい天気やいいコンディションで当日を迎えられたらいいなと思ってます。応援よろしくお願いします」
■横山武史(よこやま・たけし) 1998(平成10)年12月22日生まれ、26歳。茨城県出身。2017年に騎手免許を取得。美・鈴木伸厩舎から同年3月4日の中山1R(ルーナデラセーラー7着)でデビューし、同年4月16日の福島9R(ヒルノサルバドール)でJRA初勝利。21年の皐月賞(エフフォーリア)でJRA・GⅠ初勝利。20、21、23年と関東リーディングに輝いた。1日現在、JRA通算6125戦737勝。重賞はGⅠ6勝を含む26勝。父は典弘騎手で兄は和生騎手。