米国が敬意を示さなければ中国は交渉に応じない-中国政府元高官
- 中国に全面的な譲歩望んでいるなら交渉の余地はない-朱元財政次官
- 「相互関税」巡る協議はウィンウィンの考え方に基づくべきだと指摘
中国の朱光耀元財政次官は、米国の指導者からの敬意が示されない限り、中国は米国との協議には応じないとの見方を示した。
2010年から18年まで財政次官を務めた朱氏は「もし米国が中国に対し、全面的な条件受け入れを望んでいるのであれば、交渉の余地はないと思われる」と、シンガポールでのインタビューで語った。
同氏は、両国の事務方同士の連絡は続いていると指摘。その上で、トランプ大統領の「相互関税」を巡る話し合いは、相互尊重や平和共存、ウィンウィンの考え方に基づくべきだと述べた。具体的にどのような行動が求められるかについては明言を避けた。
米中間の貿易戦争は過去2週間でエスカレートし、報復関税合戦の様相を呈している。米国が中国からの輸入品に計145%の関税を課している一方、中国は米国製品に対して125%の関税を課している。
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中国当局者らは、交渉には応じるが、圧力や脅しには屈しないと繰り返し述べている。グリア通商代表部(USTR)代表も、トランプ氏は「いずれ」協議を行うことを期待しているが、「現時点ではその段階に至っていない」と語っている。
中国が関税への対抗措置として米国債を売却する可能性について問われた朱氏は、中国政府は「非常に責任ある投資家」であり、世界市場の安定を重視していると説明。「しかし、これは相互理解、相互尊重、相互協力に基づくものだ」とし、「米中両国が相互尊重に基づいて交渉の場に戻ることを心から願っている」と話した。
朱氏はかつて米中貿易交渉で重要な役割を果たし、直近では国務院参事を務めた。
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原題:China Won’t Talk If US Doesn’t Show Respect, Ex-Official Says(抜粋)