富豪のテッパー氏、中国株投資積み増し-DeepSeekで上昇始まる前

Yiqin Shen

  • JD・ドット・コム株の保有約43%増、アリババも18%買い増し
  • DeepSeekの成功でAI分野における中国の存在感が高まっている

 富豪の投資家デービッド・テッパー氏は昨年10-12月(第4四半期)に、中国株と関連の上場投資信託(ETF)への投資を拡大した。中国の人口知能(AI)新興企業DeepSeek(ディープシーク)のAI開発が中国株の上昇を再燃させる直前だった。

  ヘッジファンド会社、アパルーサ・マネジメントの社長兼創業者の同氏は昨年9月に、中国関連の「あらゆるもの」を買うべきだと発言して話題となった。今年2月10日に公開された資料によると、電子商取引企業JD・ドット・コム株の保有を第4四半期に約43%増やした。

  テッパー氏は同じく電子商取引大手アリババグループの株式も18%買い増した。アリババ株はアパルーサの64億ドル(約9800億円)のポートフォリオの約16%を占め、依然として同ファンド最大の保有銘柄となっている。

  昨年9月後半に中国政府が景気刺激策を矢継ぎ早に打ち出した後、中国株は10月前半にかけて熱狂的に上昇したが、その後の数カ月間は財政刺激策の規模に対する失望感、経済見通しの弱さ、不動産危機などを背景に勢いを失った。第4四半期にアリババは20%、JD・ドット・コムは13%下落した。

Source: Bloomberg; 13F filing for fourth quarter

  テッパー氏は、クレーンシェアーズCSIチャイナ・インターネットETF(KWEB)とiシェアーズ中国大型株ETF(FXI)へのエクスポージャーを追加したほか、オンライン不動産プラットフォームの貝殻找房(KEホールディングス)とテクノロジー大手、百度(バイドゥ)株も購入した。中国株および中国株へのエクスポージャーを提供するETFは昨年12月末時点で、時価総額ベースでポートフォリオの約37%を占め、前四半期からほぼ変わらずだった。

  テッパー氏は、コメント要請の電子メールに返答しなかった。

  中国株市場は、年初から堅調な足取りを見せ、一部の指標は米国や欧州の同業種を上回るパフォーマンスを見せている。その理由の一つはディープシークのAIモデルの成功で、AI分野における中国の存在感が高まっている。

原題:Billionaire Investor Tepper Boosted China Bet Before Rally (1)(抜粋)

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