不確実性は十分大きい、しばらくはむやみに動かず=野口日銀委員

 5月22日 日銀の野口旭審議委員は22日、宮崎市で開いた金融経済懇談会後の記者会見で、日銀のバランスシート縮小を「焦る必要はない」とし、なるべくマーケットを荒らさないような形で縮小していくのが基本だと話した。写真は2024年3月、都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[宮崎市 22日 ロイター] - 日銀の野口旭審議委員は22日、宮崎市で開いた金融経済懇談会後の記者会見で、4月2日以降、トランプ米大統領の相互関税発表で市場は混乱したものの、その後の状況の進展で「少しずつ霧が晴れてきている」と述べた。ただ「まだ不確実性は十分大きい」として「しばらくはむやみに動かず、状況をまず注視していくのが基本になる」と話した。

野口委員は関税を巡る米中合意について、貿易の途絶が予想されるような状況からは警戒感が解消されてきていると話した。「思っていたよりも(日本の経済や物価が)元の軌道に戻っていく時期が早くなる可能性もある」とも述べた。

<バランスシート縮小、「焦る必要ない」>

日銀のバランスシート縮小については「焦る必要はない」と発言。なるべくマーケットを荒らさないような形で縮小していくのが基本だとした。ただ、2026年4月以降の国債買い入れ減額の具体的なペースは「今後の検討次第」として言明しなかった。

他の中央銀行と同様、バランスシート縮小の着地点が「まだ明瞭にはなっていない」中で、手探りでやっていかざるを得ないとの見方を示した。

足元の超長期金利の急上昇については、6月の金融政策決定会合で議論する26年4月以降の国債買い入れ計画と「直接リンクするとは考えていない」と指摘。金利の上昇は確かに「急激」だが、「異常と一概に決めつけることはできない」とし、日銀が介入することは適切ではないと述べた。

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