"腕試し"のつもりが第1シードを破って代表に 国立大学生ペアの目標は「大会で一番の笑顔でプレーすること」<全日本卓球2025>
写真:安田華澄(写真右)/佐藤詩華(岩手大)/撮影:ラリーズ編集部
大会報道 “腕試し”のつもりが第1シードを破って代表に 国立大学生ペアの目標は「大会で一番の笑顔でプレーすること」<全日本卓球2025>
2025.02.01
<全農杯 2025年全日本卓球選手権大会(ダブルスの部) 日程:2025年1月30~2月2日 場所:スカイホール豊田(愛知)>
1月31日、2025年全日本卓球選手権大会(ダブルスの部)の女子ダブルス1回戦で、安田華澄/佐藤詩華(岩手大)ペアが平川咲(レゾナック)/新治舞羽(岩瀬日大高)ペアと対戦し、ゲームカウント1-3で敗れた。
試合後、安田/佐藤ペアに話を聞いた。
安田華澄/佐藤詩華(岩手大)ペア 試合後コメント
試合を振り返っていかがですか
写真:安田華澄(写真右)/佐藤詩華(岩手大)/撮影:ラリーズ編集部
佐藤:まず、全日本に出られることが光栄過ぎて。試合の勝ち負けよりも、今までの練習の成果を思い切って出そうと思って臨んだんですけど、正直1ゲーム取れると思っていなかったので結構びっくりしました(笑)。
けど、とにかく思い切ってできたので良かったです。
安田:大会前はアルバイトや学校の勉強が詰まっていて、練習時間は短かったんですけど、県予選やその他の試合で自分たちの弱点を集中的に練習してきました。
そのトレーニングの成果が、今日の試合で何本か出せたのは個人的にすごく嬉しかったです。
試合中もすごく笑顔でプレーされているのが印象的でした
写真:安田華澄(写真左)/佐藤詩華(岩手大)/撮影:ラリーズ編集部
佐藤:「大会で一番笑顔でプレーしよう」っていうことは意識していました。
安田:そうそう(笑)。
佐藤:(笑)。そもそも、自分たちの実力では(全日本に)出れていることが奇跡なので、「とにかくめちゃくちゃ笑顔で楽しもう!」って感じでプレーしてました。
ペアを組んでどれぐらい経つのでしょうか?
佐藤:私が大学1年生なんですけど、入学してからずっと組んでいただいています。
全日本は初出場ですか?
佐藤:私はジュニアの部で1度だけ出てるんですが、一般の部は初めてです。
安田:私は、そもそも全国大会が初めてです。
佐藤さんはジュニアの部に出られたということで、そのときの雰囲気とは違いましたか?
写真:安田華澄(写真左)/佐藤詩華(岩手大)/撮影:ラリーズ編集部
佐藤:ジュニアはシングルスだったのですごく心細くて、ガチガチに緊張して思うようにいかなかったんですけど、今回はパートナーがすぐそばにいたので、緊張が和らぎました。
県予選ではノーシードかつ第1シード下から勝ち上がられていましたね
佐藤:正直、通過できるとはまったく思っていなくて。「できるとこまでやってみよう」って感じで出ました。
安田:大学の春リーグや秋リーグでたくさんダブルスに出ていたので、腕試しみたいな感覚でした。
で、トーナメントを見てみたら「あれ、第1シードの下じゃん?」って(笑)。
※このときの第1シードは伊藤明香(朝日大)/鈴木晶(早稲田大)ペア。両選手ともにシングルスの代表枠を勝ち取っている。
ある意味、強運ですね
安田:本当に(笑)。けど、第1シードの選手と試合できることなんて滅多にないので、そこはもう思い切ってやろうと思って、とにかく楽しくプレーしてました。「わあ、1ゲーム取れた!」「あれ、2ゲーム目も取れちゃった!?」みたいな(笑)。
佐藤:そしたら、けっこうボールの感覚が良くなってきて、普段ならあり得ないボールも入り出して。気付いたら勝ててました(笑)。
お互いの印象についても聞かせてください
写真:安田華澄(写真右)/佐藤詩華(岩手大)/撮影:ラリーズ編集部
佐藤:華澄さんは教育学部ということもあって、面倒見がたいへんよろしいんですよ。
私はいつも気持ちの波が激しいんですけど、華澄さんはいつも励ましてくれて、「こうしたほうがいいんじゃない?」ってアドバイスもくれて。いっぱい相談できるので、すごく頼もしいんです。
安田:私は逆に、周りから「こうしたほうがいいんじゃない?」って言われることが少なくて。これまでは自分と同じか少し下ぐらいのレベルの子とペアを組むことが多かったので、自分よりもレベルの高い子と組んだのは(佐藤さんが)初めてで。
で、(佐藤さんは)自分の悪い面も良い面もズバズバたくさん言ってくれるので、嬉しいですね。
佐藤:本当ですか?(笑)
安田:ホントホント(笑)。
岩手大学の卓球部は地域貢献活動にも力を入れていると聞きました
安田:「自分たちが卓球をするだけじゃなくて、地域全体から愛される存在になろう」というところから、地域のおじいちゃん、おばあちゃん、障がいを持った人、誰でもできるスポーツを楽しめるように、卓球バレーというスポーツに取り組んでいます。
12/15(日)に紫波町情報交流館にて、卓球バレー体験会イベントを行いました。イベントの様子は写真をご覧ください!
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岩手大学卓球部は、“地域に愛されるチーム”を目指して活動中💫ぜひコラボしたい!卓球バレーやってほしい!
などご連絡お待ちしています! pic.twitter.com/MgtNw6UPQc
— 岩手大学卓球部 (@UttcIwate) December 18, 2024
卓球バレーとはどんなスポーツなのでしょう?
安田:卓球とバレーボールを組み合わせたスポーツなんですけど、オレンジ色の大きい鈴が鳴るボールを板で弾いて、ネットの下を通していく競技です。
佐藤:6人対6人でプレーして、「椅子から立ったらダメ」「ボールを持ったらダメ」とかいろんな制約があるので、そのなかで点数を競うゲームです。
生涯スポーツとして作られていて、岩手県ではけっこう普及が進んでいるんです。
実際に卓球バレーの普及活動をしていて感じることはありますか?
安田:普通に卓球をしているよりも笑いが多いですね(笑)。
卓球ってどうしても競技者のレベル差が出るものだと思うんですけど、卓球バレーは、「立ったらアウト」「力が強すぎるとネットに引っかかる」とか、みんなが平等にプレーできるようにルールが決められているんです。
なので、そういった活動もしているからこそ、普段の部活でもみんな仲良よくなれているのかなとは思いますね。
素晴らしい活動ですね。では、最後にお二人の今後の目標があればお聞かせください
安田:私は教育学部なので今後は実習が山積みなんですけど、今回出て悔しい部分も多かったので、春リーグやインカレ予選、秋リーグ、全日学予選と、出られる大会は出て、いろんなことを経験しながら成長できたらなと思っています。
佐藤:私は高校時代は勝利至上主義の環境で卓球をやっていたんですけど、大学に入ってから卓球バレーだったりを通じて、いろんな人と卓球以外の部分でも関わる機会が増えたことがすごく楽しくて。なので、今後もそういった活動にも目を向けていきたいですね。
卓球面では…、来年も華澄さんと一緒に全日本に出たいです(笑)。
安田:私も出たいです(笑)。
写真:安田華澄(写真右)/佐藤詩華(岩手大)/撮影:ラリーズ編集部
全日本卓球選手権 女子ダブルス1回戦
安田華澄/佐藤詩華(岩手大)1-3 平川咲(レゾナック)/新治舞羽(岩瀬日大高)〇 9-11/13-11/11-4/11-9