アジア投資家、波乱含みの1週間警戒-週末も睡眠時間削りSNS凝視
Richard Henderson
- 先週アジア株、過去最大の下げと1日として08年以来最も大幅な上昇
- トランプ氏の貿易政策決定とアジア太平洋各国の対応が混乱もたらす
先週のアジア株式相場は過去最大の下げと1日として2008年以来最も大幅な上昇の両方を記録した。
域内の投資家は週末も休まず働き、睡眠時間を削り、出張を一時取りやめているほか、ソーシャルメディアにじっくり目を通し、短期取引に集中している。地球上で最も遠い場所にいる人物がいつ何時、市場に再び大混乱を招く事態を警戒している。
アジアの金融プロたちが神経質になっているのも無理はない。株式の変動性が大きかったほか、日本国債利回りで記録的な上昇が見られた。中国人民元は2007年以来の安値を記録し、インドネシア・ルピアは過去最安値を更新。4日にはオーストラリア・ドルが世界金融危機以来、1日として最大の下げを記録していた。
これらはいずれもトランプ米大統領の貿易政策決定と、それに対するアジア太平洋各国政府の対応に関連しており、域内市場に大きな混乱をもたらしている要因だ。
週明け14日の取引開始時に真っ先に反応することになるのは為替トレーダーだろう。米ドルは主要通貨に対しほぼ全面安の展開となっていた。
みずほ銀行の経済・戦略責任者ビシュヌ・バラサン氏はこの1週間について「ひどく疲れた上に精神的にも大変だった。目の前に突きつけられた一連のパラメーターを分析する前に、それらが異常な水準であっても、それよりさらに異常なレベルに見舞われた」と指摘。
世界金融危機は「これよりさらに切迫し、はるかに深刻だった。だが大きな違いは、一人の気まぐれが引き起こした状況ではなく、われわれ全員がその渦中にいたことだ」との見方を示した。
原題:Punch Drunk Traders Across Asia Ready for Another Week of Drama(抜粋)
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