高インフレと成長鈍化の同時リスクで見解ほぼ一致=FOMC3月議事要旨

米連邦準備理事会(FRB)が9日公表した3月18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、米経済は高インフレと成長鈍化が同時に起こるリスクに直面しているとの見解でほぼ一致していたことが分かった。写真は3月撮影のパウエルFRB議長(2025年 ロイター/Nathan Howard)

[ワシントン 9日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が9日公表した3月18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、米経済は高インフレと成長鈍化が同時に起こるリスクに直面しているとの見解でほぼ一致していたことが分かった。

議事要旨によると「参加者は経済見通しを巡る不確実性が高まったとの見解を示し、ほぼ全員がインフレリスクは上振れ、雇用リスクは下振れに傾いているとの見方を示した」ほか、一部の参加者が「インフレが一段と持続的であることが判明し、成長と雇用の見通しが弱まった場合、FOMCは困難なトレードオフに直面する可能性がある」と指摘した。

FRBは同FOMCでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25─4.50%に据え置くと決定。FRB当局者は年内2回の利下げ見通しを維持したものの、パウエルFRB議長は政策変更を「急いでいない」とし、トランプ政権の一連の政策が明確となるまで待つ姿勢を鮮明にした。 もっと見る

3月のFOMCは、トランプ米政権の関税措置を巡る不確実性が高まる中で開催され、参加者は「慎重なアプローチ」を支持した。

また、FRB当局者は3月時点ですでに、今年の経済成長率見通しを下方修正したほか、インフレ見通しを引き上げた。

4月2日に一段と強硬で広範囲な関税が発表されたことを受けて、株価は急落。トランプ大統領が9日、「相互関税」の一部を90日間停止すると発表し、株価は急伸した。市場では2025年末までのFRBによる利下げ回数の観測が従来の4回から3回となった。議事要旨が指摘した経済の不確実性を浮き彫りにした格好だ。

株価が急落する前の時点で、FRB当局者の間ではすでに金融市場での「急激な見直し」の懸念があり、「参加者の数人は、金融市場におけるリスクの急激な見直しによって、経済に対するマイナスのショックの影響が強まる可能性がある」と警告していた。

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Covers the U.S. Federal Reserve, monetary policy and the economy, a graduate of the University of Maryland and Johns Hopkins University with previous experience as a foreign correspondent, economics reporter and on the local staff of the Washington Post.

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