欧州委員長搭乗機にブルガリアでGPS妨害-ロシアによる可能性
Jorge Valero
- 飛行機は無事着陸-フォンデアライエン氏は東欧歴訪中
- GPS妨害、ロシアのウクライナ侵攻開始後にバルト海地域で激増
欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長を乗せた航空機が8月31日、ブルガリアで妨害を受けた。当局はロシアによる妨害電波が原因とみている。
欧州委員会報道官によると、ブルガリア当局は、航空機の航法システムに影響を与えた衛星利用測位システム(GPS)信号妨害が、ロシアにより仕掛けられた可能性が高いと判断した。報道官はまた、この妨害はブルガリア中部プロブディフにある空港にも影響を及ぼしたが、航空機は無事着陸したと述べた。
報道官は声明で「我々は、脅迫や威嚇がロシアの敵対的行動の常套手段であることを十分認識している」と述べた。
フォンデアライエン氏は、ロシアに対抗するための防衛インフラ整備の進捗を協議するため、東欧のEU加盟国を歴訪している。EUは、防衛費を賄うため、1500億ユーロ(約25兆8600億円)の融資制度を導入しようとしている。
GPS妨害の事例は、2022年にロシアのプーチン大統領がウクライナへの全面侵攻を開始して以降、特にバルト海地域で大幅に増加し、航空・海上通信に影響を与えている。
エストニアの規制当局によると、現在、同国の航空便の85%が妨害の影響を受けている。また、偽の座標を意図的に送信する「スプーフィング」と呼ばれる行為も急増しているという。
原題:Von Der Leyen Flight Affected by Alleged Russian GPS Jamming(抜粋)
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