米シカゴ連銀総裁、政府の政策明確化まで金利据え置きを支持

米シカゴ地区連銀のグールスビー総裁は10日、急速に変化する政府の政策についてより明確になるまで米連邦準備理事会(FRB)は金融政策を据え置くべきだとの見解を示した。(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のグールスビー総裁は10日、急速に変化する政府の貿易政策による高水準の不確実性を背景に、金融政策については様子見のアプローチが適切だとの見解を示した。

ニューヨーク経済クラブでのイベントで記者団に対し、「利上げ、利下げ、据え置きなど、いかなる選択肢もテーブルから外すべきではないと思う。しかし、現在多くの大きな疑問符が付く状況を考えると、これらの問題がどのように解決されるのか様子を見る必要がある」と語った。

トランプ政権の関税政策に対する経済の反応を中銀当局者が注視する中、金融政策における行動のハードルは「少し高くなっている」と指摘。関税は、一時停止措置があってもほとんどのシナリオよりも非常に高く、金融政策が対処するのが難しい形で経済に影響を与えるだろうとした。

その上で、不確実性は高く問題があるものの、それが解消され、堅調な雇用市場の中でインフレが低下すれば、「1─2年後、あるいは12─18カ月後には、金利は現在よりも低くなると考えている」と述べた。

ただ、市場にストレスとなるイベントへのFRBの対応について推測はしないとした。

グールスビー総裁はまた、金融市場が圧力を受ける中、その痛みは米国資産だけに限らず、他の市場でも見られるとも指摘。米国債利回りの極端な変動の中で行われた10年債入札が堅調な需要を集めたことで「安心感」を得たと語った。米国債市場は長年にわたる安全資産としての役割を維持していると考えており、「安全への逃避があるとき、世界で最も安全な資産は依然として長期米国債だと感じる」とも述べた。

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